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マルコムX (1992)

MALCOLM X

監督
スパイク・リー
  • みたいムービー 226
  • みたログ 1,384

3.84 / 評価:295件

いやぁ~久しぶりに凄い作品を観ました!

  • jet***** さん
  • 2016年3月24日 13時13分
  • 閲覧数 1786
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

1965年に暗殺された過激派の黒人解放運動家マルコムXの人生を政治的メッセージを込めて描いた作品です。

上映時間3時間以上と非常に長い作品ですが、変に中だるみする事無く実に興味深く観る事が出来ました。

元々この手の史実物やドキュメンタリー系の作品が好きな事と、マルコムの人生描写が大きく3つにブロック分けて上手く構成されていたのでテンポ良く鑑賞できた事が理由だと思います。

観終わった後の疲労感は否めませんが、それ以上に「良い作品を観た」と言う充実感が大きかったです。
そこは内容に対する感想で大きく変わってくるとは思います。

この作品の最大の特徴は監督がスパイク・リーであるところです。
S.リー作品の殆どは人物の人間像、政治や思想、人種問題を題材にした物なので、本作品の監督としてはこれ以上無い適任者であったのではないでしょうか。

その答えは、この作品を観て頂ければ一目瞭然です。

マルコムXの活動や人生を通してアメリカの抱える根深い人種差別問題だけではなく同民族での治安問題、イスラム教徒に対する先入観や差別意識、世界中を取り巻く人種と宗教差別、冷戦時代から現在まで何ら変わっていないアメリカの国家工作組織(FBIとCIA)と国家の陰謀工作の実態を描いた作品なのが実に秀逸で感銘を受けました。

事実、マルコムを暗殺したのは白人ではなく同じ黒人であり、世界最大宗教であるイスラム教の教徒は民族の隔たりは一切ありません。
そして、アメリカの工作機関の疑惑や疑念は太平洋戦争から9.11に至るまで絶えず囁かれています。

活動初期は過激派と言われたマルコムがNOIの内部事情が基で不信感を抱き離脱し、聖地巡礼後は敬虔なイスラム教徒で穏健派となった事実も忠実に描かれています。
(因みにキング牧師は穏健派から過激思想に変化したと言われています)
そして”反逆者”としてNOI幹部や信者から命を狙われ、暗殺の恐怖に疲弊していく様子も…

元々マルコムと親交のあった作家の自伝がベースになっている様で、内容の濃い説得力に溢れた作品になっています。
エンドロールには作品としての演出を含むとありますが、史実に影響する大きな食い違いは感じられません。

そして、主演のD.ワシントンの演技が本当に素晴らしい!!
画面での存在感は勿論ですが、特に仕草、目力、姿勢や歩き方、表情、話し方、これらの変化は鳥肌が立ちます。
周囲の役者陣も素晴らしいのですが、この作品に関しては完全にD.ワシントンの独り勝ち状態なので彼の演技だけでもこの作品を観る価値はあります。

娯楽エンターテインメント作品にのみ喜びを見出す人には、長いし退屈な作品かも知れませんが、史実系ドキュメンタリー作品や社会性メッセージの強い作品が嫌いじゃない人には十分に満足して頂ける作品だと思います。

時間と労力を考えるとなかなか2度目3度目と気軽に手が出る作品ではないですが大満足の一作でした。

天晴れスパイク・リー!!

詳細評価

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