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マルメロの陽光

マルメロの陽光

EL SOL DEL MEMBRILLO/THE DREAM OF LIGHT

139

rec********

5.0

文字通り陽光(ひかり)を求める映画

この作品が公開された1992年。少し思い出してだけでも 日本映画では 「月はどっちに出ている」(崔洋一)「お引越し」(相米慎二)「ソナチネ」(北野武)「ヌードの夜」(石井隆)「ゲンセンカン主人」(石井輝男)等など 外国映画では 「許されざる者」(イーストウッド)「レザボア・ドックス」(タランティーノ)「友だちのうちはどこ?」(キアロスタミ)「戯夢人生」(候賢考)他にも「野生の夜に」や「ザ・シークレットサービス」から「オーソンウェルズのオセロ」まで公開された本当に豊かな一年の中でビクトル・エリセという寡作映画作家の待望の新作が公開されたのです。 文字通り映画の存在そのものが陽光(ひかり)のような逸品でした。ドキュメンタリーであることは聞いてましたからドラマ性が希薄だと思ってたらそれも杞憂。一日にうちでたった二時間くらいしかチャンスのない射し込む陽光を捉える綿密なふるまいは美術所業についてまったく素人の私にも充分サスペンシフルでした。 映画の中でアントニオが絵を完成させることは出来ませんでしたが奥様が描かれた横たわる喪服姿の彼は今にも起きだしてきそうでしたね。 この映画でアントニオが絵を完成できなかったように我々がビクトル・エリセの最新作を望むのも淡い夢なんでしょうか?

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