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まわり道

まわり道

FALSCHE BEWEGUNG/THE WRONG MOVEMENT/FAUX MOUVEMENT

100

3.0

ネタバレ無意味なまわり道

69点 作家志望の人間嫌いの青年が、旅先で出会った人々といろんなテーマについて論じあう哲学系ロードムービー。 ストーリーよりも対話がメインの映画。 孤独、文学、政治、自然、人物たちの会話の内容に真実味はあるものの、みんながそれぞれの言葉にとりつかれているようで、どこか愚かしい。 一言もしゃべらない女の子だけが、楽しそうな顔をしない彼らのことを、不思議そうに観察しているようで印象に残る。 昨夜みた夢を語り合うシーンで、夢の話をつまらないと切り捨てた彼女には、夢よりも言葉よりも、目の前の現実が大切なのだろうと思わせる。 この女の子の影響か、話が進むにつれ、最初は興味深さを感じていた主人公の言動に、苛立ちすら感じるようになった。 現実と自己の間に、一人で言葉を挟みこみ、ここは狭く俺は孤独だ、と嘆いているようで、馬鹿らしさを覚える。 それだけに、みんなと別れ山に登り、広く景色を俯瞰した彼がラストに残すセリフは、この映画にあるすべての言葉の中で、いちばん切れ味よく耳に届く。 「僕は無意味なまわり道ばかりしているようだ」

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