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満月の夜 (1984)

LES NUIT DE LA PLEINE LUNE/FULL MOON IN PARIS

監督
エリック・ロメール
  • みたいムービー 13
  • みたログ 110

4.03 / 評価:36件

愛、自由、孤独

  • 一人旅 さん
  • 2016年2月21日 16時43分
  • 閲覧数 1021
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

エリック・ロメール監督作。

恋人レミと同棲生活を送る女ルイーズの恋模様を描いたドラマ。
ロメールらしい若者の繊細な心の機微を捉えた演出が冴えわたる。
本作の主人公はルイーズ。レミという恋人が既にいながら、ふらりとパリの町に繰り出しては男友達とデートを重ねる。外出大好きなルイーズとは対照的に、レミはインドア派で、意を決してパーティに顔を出してもすぐに帰宅してしまうような男だ。
本作のテーマは孤独と自由。ルイーズは孤独を嫌う。電話帳を取り出して男友達に片っ端から電話をかける。その日の遊び相手が見つからず落胆していたのに、翌日電話してきた男友達には「昨日は一人になりたかったの」と大胆な言い訳をするという何とも面倒くさい女だ。かといって、特定の相手に束縛されるのも大嫌いな様子。レミとの関係だけに落ち着いてしまえば、自由は失われるが孤独は避けられる。逆に、レミをキープしつつ色んな男友達と気ままなデートを楽しんでしまえば、自由は得られるがふとした時に孤独を感じてしまうことになる。ルイーズの恋愛スタイルは後者のタイプで、一人の異性と真剣に向き合い愛を育んでいくことができない女なのだ。一言で言ってしまえば、恋多くとも実らないタイプ、と言える。
男からしてみればルイーズの恋愛観は理解し難いと思う。自由は確かに大切ではある。だが、ルイーズが自由を求めれば求めるほど、その代償としてレミの孤独は比例的に大きくなっていく。ルイーズはそのことに気付いていないのだ。独りよがりな自身の恋愛観を押し通すだけで、家でルイーズの帰りを待つレミの寂しさには一切目を向けない。本作が迎える結末は当然と言えば当然のこと。その経験がルイーズにとって良い薬になればそれはそれでいいと思うのだが、ルイーズの最後の行動を見るとまるで懲りていないようで“あれれ?”という感じ。
孤独と自由の関係、そして愛と自由のトレードオフの関係をルイーズの自由気ままな恋愛模様を通じて映し出している。ロメール映画に付き物の“映画的マジック”は本作では比較的控えめだが、意味深なシーンは終盤用意されている。
そして、主人公ルイーズを演じたパスカル・オジェの演技が印象的。終始眠たそうな表情&モタモタした喋り口調が独特。いいか悪いかは別として、自身の恋愛観を貫き通す女のしたたかさも併せ持っている。ちなみに魅力的とは思わない。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • ロマンチック
  • コミカル
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