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マンハッタン無宿 (1968)

COOGAN'S BLUFF

監督
ドン・シーゲル
  • みたいムービー 12
  • みたログ 336

3.09 / 評価:125件

大都会のカウボーイ

  • bar******** さん
  • 2018年2月5日 18時30分
  • 閲覧数 1000
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

マンハッタン無宿。原題はCoogan’s Bluff.「クーガンはぶっきらぼう」かな?

あの『ダーティ・ハリー』のコンビ、ドン・シーゲルとクリント・イーストウッドが初めて組んで作り上げた作品。

とはいうものの、クオリティでは『ダーティ・ハリー』には及ばない。
理由はいろいろあるのだが、大きなポイントとして、主人公のクーガンの人物造形が甘いところがあげられるだろう。

破天荒な刑事物(今回は保安官だけど)という相似点のせいで、どうしても『ダーティ・ハリー』と比べてしまって申し訳ないが、ハリー・キャラハンが際だった個性を持っていたのに対し、今回のクーガンはどこかキャラ付けが曖昧で、平凡な男になってしまっている。実直な田舎者という性質を持ちながら、女性相手には垢抜けているところがあり、強引なやり方を用いて周囲を驚かせはするものの、批判や衝突にはどこか弱かったりと、突き抜けられない弱さが彼にはある。

このキャラクターづくりの甘さが今回の大きな欠点だ。また『ダーティ・ハリー』に比べて(また申し訳ない……)、話のスケールが小さすぎる。その理由が「恋人」の存在だ。刑事物には恋愛が付きものだが、それをどういう性質として捉えているかが、良作と凡作の分かれ道になると思う。ストーリーの中で「恋愛」をどう位置づけるのか。このあたりの感触の配慮がまた曖昧なままなので、無駄に「恋愛」に時間を使っているように見える。その結果、犯人の追跡がスケールダウンしてしまい、最後は申し訳程度のバイクでの追走劇があるが、これも見どころがわからず、いまいちパッとしない。ただ二人が並んで走っているように見えるのは、ここにアイディアが足りないから。カーチェイスの意味を取り逃がしている。それはキチンと身を入れて犯人との対決を描かなかったから。

以上の2点は非常に大きな欠点だったが、イーストウッドの演技は悪くなかったし、他の端役の演技も素晴らしい。特にマッケルロイ(リー・J・コップ)。彼とのやり取りは笑わせてもらった。撮影もまたなかなかで、役者の表情の動きがよく理解できるように撮っている。こうするとそれぞれのキャラクター性が明確になっていき、ストーリーの構造が分かりやすくなる。最高だったのは音楽だ。ラロ・シフリン。この人は素晴らしい劇中音楽をガシガシ入れてくる。これでシナリオとキャラクターが完璧だったら、記憶に残る一本になったろうなあ、と本当に残念。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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