マン・ハント

MAN HUNT

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マン・ハント
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(5件)

かっこいい9.4%勇敢9.4%不気味9.4%恐怖9.4%切ない9.4%

  • 一人旅

    4.0

    鈍い男と泣き虫女

    フリッツ・ラング監督作。 二次大戦直前、ヒトラーに銃口を向けた英国人・ソーンダイク大尉と彼を執念で追跡するゲシュタポの姿を描いたサスペンス。 『死刑執行人もまた死す』『恐怖省』『外套と短剣』同様、フリッツ・ラング監督によるナチス物の一作で、ゲシュタポに追われる男の逃亡劇をスリリングに描き出す。戦時中に製作された反ナチ映画なので、アメリカのプロパガンダ的意味合いが強い。 ゲーム感覚で(殺すつもりはなく)ヒトラーを狙った主人公ソーンダイク。ゲシュタポに捕えられたソーンダイクは隙を見てイギリスへ脱出するが、ゲシュタポは諦めていなかった...というのが基本的なプロット。ドイツからイギリスへの船による脱出劇や、夜のロンドン市街を舞台に繰り広げられる逃亡劇が秀逸。狭い路地でゲシュタポに挟み撃ちにされるシーンや、地下鉄におけるゲシュタポとの一騎打ちは緊張感でいっぱいになる。フリッツ・ラングのサスペンス演出の手腕が随所に発揮されていて、退屈で無駄なシーンが存在しない。 ソーンダイクとゲシュタポの逃亡・追跡劇だけでなく、逃亡の途中で出会った女・ジェリーとの恋模様も見どころのひとつ。ジェリーは陽気であっけらかんとした性格の女で、ソーンダイクと一緒に彼の兄を訪ねた際に、ジェリーと兄の妻が交わす会話が軽妙洒脱でとても楽しい。貧乏で育ちの悪い(?)ジェリーの下品な発言が、上流階級の気取った妻に感染していく様はユーモアたっぷり。 また、ジェリーはソーンダイクに恋してるのに、ソーンダイクはそのことに気付かない。鈍感なソーンダイクの心ない発言に悲しみ、しくしく泣いてしまう姿も印象的だ(3回も泣く!)。 そして、橋の上で二人が別れるシーンが最高に切ない。ソーンダイクを守るため、悲しみを押し殺して“演じる”ジェリーの後ろ姿に胸がつまる。ジェリーに扮したジョーン・ベネット(フリッツ・ラングの常連女優)の演技が絶品で、陽気さと哀愁という相反する感情を巧みに演じ分けている。

  • ibu********

    4.0

    フリッツ・ラングってやっぱり凄いかも

    新橋文化劇場閉館スペシャルレビューその3。2014/6/3に「愛の嵐」(レビュー投稿済み)と同時観賞。 かの「メトロポリス」のフリッツ・ラング監督作品。 基本的にはサスペンス仕立ての映画。 サスペンスってテレビドラマも含めて物凄い量が今までに氾濫してるから、大抵は見たようなパターンの内容だったりする。 けれど、以前に同じ新橋文化劇場で見た「恐怖省」っていう同監督の映画と同じように、この映画も一風変わった展開で凄く新鮮だった。 第二次大戦前の話で、ある男が山奥の山荘らしきところにいるヒトラーに対して、少し離れた周りに樹木が生い茂る丘の上から照準を当ててるんだけど、一向に撃とうとしない。一度はそのまま立ち去りかけるんだけど、思い直して銃に弾をこめる。つまり、それまでは弾が込められてなかったってことね。 この不思議な冒頭部分から、もう一気に引き込まれてしまった。 そして、その後の展開がまた普通じゃない。 結局、ドイツ軍に捕まるわけだけど、ドイツの将校との会話も、そのドイツの将校の対応も少しずつ変わってて、「なんだろ?なんだろ?」っていう思いで常に見続けさせられた。 そんでもって、最後まで展開が予想できなかった。 それも「どっちに転ぶ?」じゃなくて、「この話の進み方でこの先どんな展開が待ってるんだ?」って感じの、まるで見当もつかないって話の構成だったよ。 もうホント、「話に引きずり込む」っていう手法は見事の一言だね。 そして、その見せ方が実にうまい。 よく、話は突拍子も無いんだけど展開がだらだらしててちっとも面白くない映画ってあるけど、この映画は実にメリハリの効いた展開で、最後まで飽きることなく見ることが出来たよ。 この監督の映画は、他には「メトロポリス」と「恐怖省」しか見たことないんだけど、ほかの映画も見て見たくなったぞー!

  • おおぶね

    5.0

    1941年に作られた素晴らしい映画

     後知恵でどんなことでもいえる。  だが、先にこんな危険があると言えるのは天才のみである。  2002年に『東京原発』を観た時は何も思わなかったが、フクシマの後で全てが正しかったことに気づく。  1941年にこんな映画を作れるのは才能だ。  フリッツ・ラングはお母さんがユダヤ人だったために亡命した人だ。  この後、『死刑執行人もまた死す』『恐怖省』『外套と短剣』と続く。  ただ、ヒトラーが憎いという観点だけで描いていない。  撃ちたくなる、という感情を最初に出して、それが人類のためだったと認識しているところがすごい。 「彼女は私の行為には関係ない」 「総統もお前には何もしていない」 「私や人類に対して罪がある 善良な人々に対して 憎むべき人殺しだ!」 「だから殺そうと?」 「撃とうとしたさ 目的はわからぬまま 世界中で苦しんでる人を救えるとは知らずに なぜ私は弾を込めたのか 彼を殺すためだ 独裁者に復讐するため 今分かった」 「母国のためだ」 「みんなの国のためだ 世界のため」  船中でソーンダイク(W・ピジョン)をかくまう少年(R・マクドウォール)がいい。  恋仲になる女性(ジョーン・ベネット、後に『花嫁の父』)はとっても可愛い。  ソーンダイクを執拗に追い詰めるナチス将校役はジョージ・サンダース(『イヴの総て』でも悪役)。  サスペンスとして成功し、ロマンスとして『哀愁』のように成功し、戦争映画としても成功している。  gameというと「獲物」という意味のある国の物語である。

  • ********

    5.0

    無意識の暗殺者

    1941年。フリッツ・ラング監督。スポーツとしての狩猟が趣味のイギリス人(ウォルター・ビジョン)は獲物を殺すことではなく近づくこと自体を目的としていたが、獲物として狙ったヒトラーを殺そうとしたとしてナチスのゲシュタポに捕まってしまう。イギリス政府の命令による暗殺だという書類への署名を迫られて拷問されるが、なんとか抜け出してロンドンへ行く、しかしゲシュタポ(ジョージ・サンダース)が追いかけてきて、、、という話。 そもそもヒトラーを狙っていたことは本当であったため、イギリス政府に助けを求めると外交問題になって宥和政策からドイツに引き渡されてしまうと恐れる男が、一人で逃亡を続けるのですが、サンダースに追い詰められて「そうだ、今、わかった、俺は無意識にヒトラーを殺そうとしてたのだ」と叫ぶシーンがすごい。他人によって発見される私の無意識。「アンコンシャス・アサシン(無意識の暗殺者)」というサンダースのセリフから、まったく関係ないけど夏目漱石「三四郎」の「アンコンシャス・ヒポクリット(無意識の偽善者)」を思い出してしまいました。漱石の方は男である主人公が女性をそう名づけているだけで、女性がその無意識を引き受けていくわけではありませんので意味は違いますけれど。 逃げている男は宥和政策のイギリスの大人たちには相手にされず、船の給仕の少年や、少女のような娼婦(だと思う。ジョーン・ベネット)に助けられるのですが、ベネットとの別れが地下鉄や橋の上なのは明らかに前年の映画「哀愁」の引用でしょう。 ラストで本当の暗殺者になった主人公がベルリンの街へと消えていくですから、戦意高揚映画であることは間違いないのですが、とてもそれだけでは語れないよい作品でした。

  • bakeneko

    5.0

    ネタバレ通信手段は伝書鳩!

    このレビューにはネタバレが含まれています。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
マン・ハント

原題
MAN HUNT

上映時間

製作国
アメリカ

製作年度

公開日
-

ジャンル