通信手段は伝書鳩!
- bakeneko さん
- 2014年6月4日 21時45分
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- 総合評価
ヒトラーを暗示する-「怪人マブゼ博士」(1933年)を撮って直ぐの1934年にドイツから蓄電したフリッツ・ラングが、風雲急を告げる大戦前夜を舞台にして“ヒトラーの仮想暗殺”をテーマに創り上げた“逃亡スリラー&抗ナチス映画”の佳作で、当時の時代背景と共に異様な緊張感が全編を貫いています。
ベルヒテスガーデンのヒトラーを獲物として“仮想暗殺ゲーム”を試みた英国冒険家の主人公が、捕獲されてナチスプロパガンダに利用されそうになるが、必死の脱出に成功して…という、当時の欧州の緊迫した状況&ナチス政権への嫌悪感を反映したサスペンススリラーで、第一ラウンド=敵陣からの脱走から、第2ラウンド=密航脱出してたどり着いたロンドンでのドイツ諜報部との単独での戦い-へと物語は進んでいきます。そして、ロンドンでは下町娘との恋も盛り込んで、地下鉄や橋、街並みを生かしたサスペンスでハラハラさせてくれます。
主役のウォルター・ピジョンの英国紳士ユーモアとヒロインのジョーン・ベネットの下町訛りの対比も英国的な風味を感じさせる作品で、ドイツ情報部のジョージ・サンダースやジョン・キャラダインが鋭角的な悪役を演じて緊迫感を盛り上げています。
反ナチプロパガンダ映画でありながら、逃走サスペンス&英国風味&恋愛ドラマと、多角的な娯楽がぎっしり詰まった作品で、当時のロンドンの様子も見ることが出来る映画であります。
ねたばれ?
もう戦争が始まったんだから“暗殺計画”をねつ造する必要はなくなったんじゃないかなあ~。
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