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ウィッカーマン

ウィッカーマン

THE WICKER MAN

88

ジャビえもん

4.0

ネタバレ信仰対信仰

最近、この映画の類似品「ミッドサマー」を観ましたが、あんな中身のない映画とは違い、こちらは一本筋が通っていて、見応えがあります。 映画が始まって間もなく、ブリット・エクランドがオールヌードになります。いきなり鼻血ブーのインパクト! ところが、主人公の男はなぜか突入しません。 え、なんで…? 彼は敬虔なクリスチャンだっだのです。 いいじゃねえか、かたいこというなよ。 ところが、このかたさこそが、映画の中盤から後半に大きな意味を持ちます。 中盤、彼は島で行われている宗教行事に納得できず、「ニセ宗教め」とののしります。 そしてラスト、島の宗教行事の中でいけにえとされた男は、それでも頑なに信仰を捨てず、神に救いを求めながら死んで行きます。 ここ、怖い。神に救いを求め、男をいけにえにする島民たちと、神に救いを求めながら神に命を捧げますと叫ぶ男。しかしどちらも救われない(だろう)。 こういうのが、ほんとの怖さだよ。「ミッドサマー」の監督は、少し勉強しろ。 男と同じように敬虔なキリスト教徒の方が見たらどう思うか、は別にして、はたから見ると、ある宗教を信じている者が、他の宗教を信じている者を受け入れない、蔑む、というのは、何とも愚かしいことに思えます。 しかし、ここにこそ世界の紛争の根っこがあるのですから、愚かしいなあ、では済まないわけで、とても考えさせられるテーマがこの映画では語られているなあと、興味深く思いました。 ラスト、海に沈んでいく太陽――。何かしら訴えながら、人間を見つめているようにも思え、意味深でした。 思いのほか、いい映画でした。

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