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水着の女王 (1949)

NEPTUNE'S DAUGHTER

監督
エドワード・バゼル
  • みたいムービー 3
  • みたログ 7

3.00 / 評価:3件

洗練と泥臭さの大きな落差

  • rup***** さん
  • 2016年4月23日 17時35分
  • 閲覧数 428
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

水泳選手から女優に転身したエスター・ウィリアムスの主演作の1つですが、ストーリー自体は、アステア&ロジャースの「コンチネンタル」や「トップ・ハット」で使われていたような人間違いのシチュエーションでずっと話を引っ張っていくというかなり古典的なものになっています。

エスターは水着会社の経営をしている元水泳選手の役で、その妹(ベティ・ギャレット)が、南米の有名なポロ選手(リカルド・モンタルバン)の控室でモンタルバンのマッサージ師として働いていたレッド・スケルトンに一目惚れをするのですが、スケルトンのことをモンタルバン本人だと勘違いしたまま、姉のエスターにそのことを話すと、エスターは、モンタルバンが遊びで妹にちょっかいを出しているのだと思って腹を立て、モンタルバンに妹と別れるよう直談判します。
全く身に覚えのないモンタルバンは、勘違いされていることを逆に利用して、エスターが代わりに付き合ってくれたら妹とは別れるよと言うので、エスターはモンタルバンと渋々付き合うことに・・・。
そうこうしているうちに、エスターは、モンタルバンのことがだんだん好きになってしまい、妹の恋人を奪うことになると悩みますが、結局、誤解が解けて・・・という他愛のない展開の物語です。

ストーリーがこんな具合なので、本作の観どころは、当然エスターの水中レビューなのかと思いきや、ラストのショーは、エスターを一躍有名にした「世紀の女王」の絢爛たるレビューに比べるとかなりしょぼいもので、作品のハイライトを飾るには寂しい演目のように感じられます。
《よく「世紀の女王」の水中レビューが本作のものと間違われるのですが、おそらく原因は「ザッツ・エンタテインメント」の国内盤DVDの「世紀の女王」のレビュー場面で「水着の女王」という誤った字幕が出るためではないかと思われます(「世紀の女王」の原題"Bathing Beauty"を直訳すると『水着美人』なので混同したのではないでしょうか)。エスターは出世してから豪華なレビューをやるようになったのではなく、すでに初主演作の「世紀の女王」でド派手なレビューをやっているのです。豪華絢爛なレビューをご覧になりたい方は「世紀の女王」か「百萬弗の人魚」の鑑賞をお薦めします。》

そのような中、本作で最も印象に残るのがこの年のアカデミー歌曲賞を受賞した"Baby, It's Cold Outside(ベイビー、外は寒いよ)"のナンバーです。
これは、エスターがモンタルバンの部屋を訪れた際に、エスターとモンタルバンの掛け合いで歌われるデュエットソングですが、帰ろうとするエスターとまだ帰したくないモンタルバンの攻防が、エスターが身に付けていた帽子、ショール、ポーチの3点を使って繰り広げられるというユニークな趣向になっています。エスターが1つ何かを身に付けるとモンタルバンがすぐさまそれを奪うというような一連の動作が洗練されたスムーズな流れで行われるという実に見事な『振付』がなされています。
ミュージカルナンバーというと、とかく派手で華やかなものが目を惹きがちですが、こういう細かい演出を積み重ねて創り上げられた洒落たタッチのナンバーも観ていて楽しいものですね。

この後続けてスケルトンとギャレットも男女の攻守逆転で同じナンバーを歌いますが、こちらはドタバタしたお笑いのテイストとなってしまっています。

この曲の前にも、"My Heart Beats Faster"を歌って、厩舎の前でモンタルバンがエスターに恋を囁くシーンがあるのですが、ここでのエスターとモンタルバンの動きも同じように滑らかで、ロマンチックな雰囲気に浸ることができます。

こういった素晴らしく洗練されたシーンがあるなか、喜劇俳優レッド・スケルトンの泥臭いコメディもかなりの尺をとっていて、特に、無理矢理ポロの試合に出場させられることになったスケルトンがうまく馬に乗れずにジタバタするというのを延々とやっているあたりは、さっぱり面白さが感じられませんでした。

あと、「私を野球につれてって」や「踊る大紐育」と同様、ベティ・ギャレットが演じているガツガツした肉食系女子のキャラクターが個人的にどうも苦手で、この点でも印象がよくありません。

以前、「闘牛の女王」のレビューでも書いたのですが、日本では、当時公開されたエスター主演作品の多くがジャック・カミングス製作のものだったのがやはり惜しいなという気がします。カミングスの作品は、ミュージカルシーンは優れていても、全体的な仕上がりがいまいちなので・・・。

個人的には、ジョー・パスターナックが製作した「Thrill of a Romance」や「Duchess of Idaho」なんかが好みで、これら以外にも、水上スキーのレビューがある「Easy to Love」や、エスターがトム&ジェリーと共演した「Dangerous When Wet」あたりが日本で公開されていたらよかったのになぁと思わずにはいられません。

詳細評価

物語
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