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水の中のナイフ

水の中のナイフ

NOZ W WODZIE/A KNIFE IN THE WATER

94

bakeneko

5.0

ネタバレワニさんが可愛い!

ポランスキーの才気が光るデビュー作で、ヨット遊びに湖水を訪れた夫婦と途中で拾ったヒッチハイクの若者の一昼夜の交流をサスペンスフルに描いて“次々と移り変わる心理と葛藤”に、“大人と若者”の世代間の反目と衝突を縮図化して見せてくれる“心理サスペンス&寓話ドラマ”の佳作であります。 「反撥」、「袋小路」と同列の、ポランスキーの心理サスペンスの緻密さに感心させられる作品で、思いがけずヨット周遊に同行することになった夫婦+若者の邂逅→理解&葛藤を通して“世代間の反目や理解”を儘ぐるしく変わる心理状況を浮き彫りにしていきます。 登場人物が3人&湖水でのヨットの周遊を舞台にした低予算作品ですが、限定された状況と登場人物が逆に緊密な作劇を可能にしていて、“若者の未熟さが目障りな”大人世代vs“理解しようとせずに命令されることが大嫌いな”若者世代の“永遠の葛藤”の不安定感が社会を最小単位で縮図化していると見ることもできます(公開当時は、“大人=ソ連、若者=ポーランド”という解釈がされていました)。 社会的寓話として理屈っぽく解釈しなくても、登場人物の立場&心の変化と自然現象や人間衝突による状況変化のピリピリした緊密感覚に引き込まれる作品で、葦原や浅瀬が沢山存在するポーランドの湿地帯の特異な自然も見所の映画であります(ヨランタ・ウメッカのグラマラスな肢体が拝めるのも本作だけ♡)。 ねたばれ? 何でも河に捨ててはいけません!

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