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未知との遭遇 特別編

未知との遭遇 特別編

CLOSE ENCOUNTERS OF THE THIRD KIND: THE SPECIAL EDITION

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5.0

ネタバレ未知との激突

あの 「ブオ~オオオ!!!」 で、 ガラスがガシャリーンと割れちゃうシーンありますわね。 あれ後年の 「宇宙戦争」 ですね あの機動ビグザム君たちの咆哮する 「霧笛」 ですね。 ---------------------------------- 映画館に観に行ったのは私はこの 「特別編」 だけなんで、当時はオリジナル版との違いが 良く分からなかったんですけど 後年TVでオリジナル版を観てやっとわかった程度ですわ。 この作品の果たした非常に大きな意味はですね、 一般的に「UFO」と呼ばれているものの、全世界的な (全人類的と言ってもいいと思う)イメージをかなり完全な形で 統一してくれちゃった点だと思うのですね。 だいたい第二次大戦後あたりからこの「未確認飛行物体」という ものがわれわれ人類のあいまいな共通言語的ないちイメージとして 世界的に共有されてきたんだけれども イマイチそれの [ 統一規格 ] みたいなものが無かったんですよ。 アダムスキーだの葉巻だの円筒形だの言ってるんだけど普通は どれがどれだか分からん(俺も解らん)し、 「母船(マザーシップ)」 という概念はUFOに興味のない人には 決して一般的な物ではなかったからね。 母船&子船(コセンとか言わんけどね)から成る一団が地球に 来るなり侵略するなりというコンセプトは あくまでもSFや当時のTVまんが(アニメという単語はなかった) に親しんでいた世代よりも上の世代には全く馴染みの無い物 でしたからね。 この「未知との遭遇」以降から、 本当の意味で全人類的に、全世代的に 「UFOの巨大母船」 というある種絶対的な統一イメージが そういう基本フォーマットが映像として意識されるように なったんですね。 ----------------------------------- 勿論これはコンピューターグラフィックスなんか影も形も無い 時代の作品なんだけど あの 「子船」 の数々が夜中に田舎道を 地上2メートルぐらいの高さで超高速で飛び過ぎて行く 連続シークエンスなんかは 当時映画館の大画面で観ててもう、 ブッ飛びまくりでしたわ。 物凄い、圧倒的なカタルシスでしたねあれは。 ほんであのマザーシップの上下反転のゆ~っくり裏返るヤツね。 キューブリックのあの 「モノリス」 の持つ威圧感と 人知を超えた物体に対する畏怖感覚みたいなもんを あの画面いっぱいにひろがる母船に投影することに 成功していますね。 ----------------------------- リチャード・ドレイファスが謎のインスピレーションに 導かれて延々とあの山をめざしてゆく 非常に不可思議な道ゆきの過程はですね、 あれは考えてみるとデニス・ウィーバーが最後にあの 砂丘に往き着くまでの、謎のトラックに延々と追われゆく過程にも どっか似ていると思うんですね。 このどちらの作品も非常に不可解なんですわ 客観的に見ると。 結局あの巨大母船にゆき着いて、 非常にシアワセな感じはするんだけれども いったい結局何だったのかよく解らないんですねこの映画は。 ラストシーンの音楽の圧倒的に幸せな感じで我々観客は 巧く心理操作されちゃうんだけどね ほんであっちの映画では 最終的にあの黒いトラックを奈落の底に葬って、 一件落着な感じはするんだけれども いったい結局何だったのかよく解らないんですよあの映画も。 あの非情なほどの音楽の無さもなんだかよく解らない このどちらのエーガも、 「冷静に考えてみると何だかよくわからない」 という絶対共通項でむすばれているんですな。 ----------------------------------- 一方の作品が一方の パラレルワールドとなってるんですわ。 互いに。 あのラストシーンで狂喜乱舞するデニス・ウィーバーと 光の洪水の中、幸福さに包まれて母船に入ってゆく リチャード・ドレイファスと 二人ともが 理解不能な外的要因につきうごかされて ある種の最終目的地に到達して (あるいは "到達させられて" ) 非常に不可解な 最終シーンを迎える わけですな   ----------------------------------- ここらへんが、 スティーブン・スピルバーグという人の非常に 突出した特異性だと思っておるんですわ わたくしは。 まあそんな事を仮に指摘したとしても 本人は強力に否定するだけだろうけどね --------------------------------- で、 ここらへんにあの '70年代という一定の時間帯を読み解く カギがあるという風に 思うんですけどね。

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