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港のマリィ

港のマリィ

LA MARIE DU PORT

97

みゅう

5.0

マリィが、まさかあの女優さんだったとは!

とある田舎の小さな漁港のカフェで働くマリィはまだ18歳。 こんな街で埋もれたくないと漠然とは思っているものの、現実には酔いどれおじさんにからまれたり、それほど好きでもない床屋で働くマルセルという男の子にしつこく求愛されて辟易する日々。 一度キスを許しただけなのに、しつこいうえに嫉妬深い、会う約束もすっぽかしたくなろうというものです。 女の子にしつこくする若い男ってホントにみっともない、情けない。 そんなある日、隣町のシェルブールから父の葬儀に姉が愛人を連れてやってくる。この愛人が初老のジャン・ギャバンで棟続きの映画館とレストランを経営していうという洒落たおじ様。若い男のようにしつこくないし、姉は結婚したくても自由気ままが一番と愛人生活が長引くばかりで、この二人とっくに倦怠期を迎えている。 この初老のおじ様が若いマリィに興味をひかれ、マリィも今の生活から抜け出す糸口になればと後ろ髪をひかれはじめて…さあ、どうなるの?、という、一言でいえばあまり中身のないどっちでもいい映画。 マリィは別に確たる夢や目標があるわけえもない、まだ自分ができてないどうにでもころんでいく普通の女の子で、その漠たる若さがこれまた初老のおじ様には魅力なんです。もし明確な目標に向かって突き進むしっかり者だったら、好きなだけ頑張ってくださいで、物語が終わってしまいます。 まあ、小さな出来事をじっくり描いていい終わり方をする洒落たフランス映画ですが、私が驚いたのはこの素敵で可愛いけど無愛想なマリィを演じた女優さんです。 何だか見たことあるような無いような、モヤモヤが頭の中が支配されて、う~~ん、誰なんだろうあの娘は…?。と、なやまされること数日間。 そしてキャリアを調べてみてびっくり。 そうだったのか!。 あの「シベールの日曜日」だったとは。 記憶を失った主人公ピエールにぴったり寄り添う中年女性、パリの病院に勤める看護婦マドレーヌを演じた女優さんでした。 いい味出していたなあ…あの女優さん。 愛するピエールが少女を追い回す変態男に見なされて撃ち殺されてしまうとは。思い出すだけで怒りが込み上げてくる「シベールの日曜日」。 二コール・クールセルという女優さんでした。 あまり成功したとは言えなかったキャリアのようですが、そんなこと関係ありませんね。素晴らしかったです。 人生の苦労を積み上げて生意気なことも言わなくなった中年女性、それでも愛を求め続ける中年女性って魅力いっぱいなんですねえ…。 若いときは綺麗なだけで、ツルッとして見えて味わいが軽く感じられたマリィが、年を重ねて控えめでも魅力いっぱいなマドレーヌなった。 そんな風に考えてこの2作品をもう一回味わうことにします。

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