頭にこびりつく「HAPPY TALK」
- omoidarou さん
- 2012年7月21日 18時19分
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- 役立ち度 6
- 総合評価
せっかく見てもフレッド・アステアやジーン・ケリーの歌や踊りもないんじゃんなあ…、それにどうせ「サウンド・オブ・ミュージック」や「ウェストサイド物語」ほどの時代を画したミュージカルではないのだろうなあ…などと思うせいか、いつまで経っても見なかった映画のひとつ。実はこういう作品が沢山あって、もう61歳になってしまいました。
偶然、スターチャンネルで7月ハイビジョン放送されたので、気が乗らないまま見てしまった。
戦時中ものかあ…、せっかく南海のいい景色なのに何だろうこの安っぽいカラーフィルターの多用は、また日本軍が悪者かよ…、と不満たらたら見てしまった。まあ、つまらなくはないけれど、並の作品かな?…などと思いつつ。
ところが、どうしたことか、数日たっても頭の中に残っているシーンがある。残っているだけじゃなくて、体の中から口ずさみたくなる不思議な感覚。何なんだろう?この感覚。
幸いハイビジョン録画してあったので見ることができた。
現地の女の子が好きになってしまったアメリカの兵隊さん相手に、親指と人差指をパチパチやりながら愛する想いを伝えようとする「HAPPY TALK」のシーン。顔の表情、両手を動かすジェスチャー、池の中に飛び込んで泳ぐ姿、…ああ、何から何まで可愛い、素敵だ。
HAPPY HAPPY HAPPY HAPPY TALK!。
チュルルン、チュルルン、チュルルン、チュルルン・ルン~~~~。
二人の後ろで抜群に上手く歌いつづけるひどい姿のオバサンの存在も気にならない。
ああ一度でもいい、死ぬまでに俺にもこんな風に指をパチパチしながら笑顔で見つめてくれて、歌って一緒に泳いでくれる娘がハワイかタヒチにいたらなあ…、夢のようだなあ~~~(ホント夢でしかないのだけれど)。
今では毎日楽しい気持ちになりたくて、このシーンを見るようになってしまった。
まったく、自分の先入観など、いい加減なものだし、あてにならないものです。
まったく、この脇役の兵隊さん(ジョン・カー)と島の娘さん(フランス・ニューエン)の恋物語は、ロッサノ・ブラッツィとミッチー・ゲイナーの主役お二人の恋物語を食ってしまって、いつまでも心に残るのは悲恋に終わってしまう脇役さんの恋。
こういう映画ってめずらしいですね。
アステアやケリーが引っ込んだあとに「サウンド・オブ・ミュージック」や「ウェストサイド物語」のようなミュージカルがある日突然できるはずはない。こういう「南太平洋」のような作品が重要なステップを形成しているのでしょうね。
それにしてもロジャース&ハマースタインのコンビからなる曲はいい。「魅惑の宵」「女が一番」「春よりも若く」「私に告げて」「ハッピー・トーク」「バリ・ハイ」と容赦なくガンガンやってきます。
これなら「サウンド・オブ・ミュージック」の中に散りばめられた名曲も創れるわけだ…と、妙に納得でした。
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