レビュー一覧に戻る
ミュージックボックス

Layla

5.0

なぜかDVD化されなかった最高の戦争作品

昔、日比谷シネシャンテで観て本当に衝撃を受け、ずっと私の中での好きな映画BEST5入りの作品でしたが、このたび奇跡的にレンタル落ちした同作ビデオテープで再度観ることが出来ました。 数あるホロコースト関連映画、あるいは、あまたある戦争モノの中で言ってもトップクラスに素晴らしい作品です。 ハンガリー系アメリカ人の善良な小市民男性が戦後40年くらいで突然、ホロコーストに加担した戦犯として告訴されますが、たまたま弁護士だったその男の娘(ジェシカラング)が父親の弁護に回り、組織的陰謀に立ち向かい不当な冤罪を果敢に晴らしていくストーリーです。 ……と言いたいところですが、最後の最後にまさかの結末が待っています。 これはもう展開的にも映像的にも、衝撃という以外は言葉がありません。 悲惨なホロコーストの現状が、一度たりとも当時のリアルなシーンの再現で見せることなく、証言台に立った被害者たちの語りのみで描写されるのはとても上質な演出ですし、舞台劇のようでもあり興味深いです。 しかしラストの衝撃シーンだけは舞台では表現できないことでしょう。これだけは映画ならでは。 娘が父親の元同僚の家族を訪ねていく一見地味な風景がその後の衝撃にジワジワと繋がっていく圧巻の展開は言葉では説明ができません。是非観てほしい。もうなかなか観れないのでしょうが。 戦争は平坦な日常を普通に暮らす善良な人々の精神をも蝕んでいく、本当に恐ろしいもの。 改めて、70余年前に不当に命を奪われた何百万ものユダヤ人たちの魂に鎮魂の意を表さずにいられません。

閲覧数899