魅惑

ENCHANTMENT

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(1件)

悲しい33.3%ロマンチック33.3%切ない33.3%

  • rup********

    4.0

    家が繋ぐ2つの時代の恋愛物語

    「偽りの花園」「打撃王」「我等の生涯の最良の年」に次いでテレサ・ライトが出演した4本目にして最後のサミュエル・ゴールドウィン作品。 第二次大戦後のロンドンの閑静な住宅街にある一軒の家が語り部となって物語が始まるという風変わりな導入部。 その家にかつて暮らした2つの時代の人々の物語が語られるのですが、デヴィッド・ニーヴンが演じる老将軍ローランドが執事(レオ・G・キャロル)と2人きりでひっそりと暮らす家へ突然兄の孫娘が訪れるところから始まる第二次大戦中の物語と、時代を遡ってまだ子供時代のローランド(愛称はロロ)が父親、姉のセリーナ、兄のペラムと暮らしている家に、歌手である両親が事故死してしまった幼い女の子ラークが引き取られてくる日からの物語が交互に語られていくという凝った構成になっています。 特に、時代が入れ替わるシーンで扉や食器、シャンデリア、置き時計、暖炉といった調度品やプレゼントを手にして歩く人物などにフォーカスして流れるように場面を繋ぎ、2つの時代に一体感を持たせて両者を結びつける効果を狙ったグレッグ・トーランドの撮影技法が注目ポイントです。 今ではごく当たり前に見られる手法かもしれませんが、本作ではすべての転換に用いられていて、ゆったりとした情緒的な余韻が感じられる点が好印象。 アメリカへ渡った兄ペラム(フィリップ・フレンド)の孫娘で、婦人部隊で運転手をしているグリゼル(イヴリン・キース)がローランドのもとに滞在中、ラークの義理の甥である若き空軍将校のパックス(ファーリー・グレンジャー)との恋を実らせていくという戦時下のロマンスは、昔の出来事と巧みに繋ぎ合わされているので浮いた感じにはなっていませんが、過去の物語の狂言回しの役割にも見えるあっさりしたもので、キースもグレンジャーも演技的にはこれといった観どころがありません。 比重は時代の雰囲気がよく出ている過去の物語に置かれていて、子供時代のラークを演じるジジ・ペルーがとても愛らしく好演しているのですが、ラークがもらわれてきたその日から、ラークに自分の部屋を取られたことを恨み、家の男性陣が皆彼女に優しくすることを妬むセリーナが、その後ずっとラークをイビり続けるようになるという『シンデレラ』や『小公女』みたいな展開になります。 ラークが成長して年頃の娘になってからを演じているテレサ・ライトが清純派ヒロインのイメージを崩すことなく、〈ひばり〉を意味するその名の通り、ピアノを弾きながら歌う姿も素敵で、ロロとペラムのほか、デラーディ侯爵(ジョン・シェパードから改名したシェパード・ストラドウィック)という崇拝者まで現れて、男性たちの憧れの的となって輝いている本作のテレサ・ライトはあまり理が勝ちすぎていないので、セリーナのイジメにもめげずに日々を送る健気な姿に自然と感情移入して観てしまいます。 ラークの王子様である気の置けない風来坊気質の若き日のロロを快活に演じているニーヴンも良いのですが、そんな2人の仲を絶えず引き裂くセリーナ役のジェーン・メドウズが憎まれ役としての存在感を強く出して印象に残りますし、「山のロザンナ」では地味さばかりが目立っていたアーヴィング・ライス監督の古風で素朴なタッチの演出が効を奏して、古典文学的な味わいが出ている点にも好感が持てます。 終盤に、老ローランドが悲恋に終わってしまった自分と同じ失敗を犯さぬようグリゼルに教え諭すシーンも印象的で、ニーヴンは若い頃と老いた姿とを見事に演じ分けて、味のある演技を見せていました。 物語自体は古めかしいメロドラマなのですが、ゴールドウィン映画らしい品の良さが全編に渡って出ている作品で、落ち着いて鑑賞することができます。 〈昔、中古で購入した『サミュエル・ゴールドウィン・クラシックス』シリーズのVHSソフトで10数年ぶりに鑑賞〉

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
魅惑

原題
ENCHANTMENT

上映時間

製作国
アメリカ

製作年度

公開日
-

ジャンル