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天使のくれた時間

天使のくれた時間

THE FAMILY MAN

125

Akka

5.0

ネタバレ仕事<家族という単純な比較ではない

この映画が強調したいのは愛情の大切さ。その対極として、「仕事のみに生きるビジネスマン」としての主人公が最初に描かれるのだと思う。もちろん、【愛情は大切だ】というテーマを我々視聴者にわかりやすく伝えるために。 つまり、仕事より家族の方を優先すべきだなんて言ってるわけじゃないし、仕事のみに生きる人生を否定してるわけでもない。なんだか誤解してるレビュアーが多いみたいで、どうもねえ。 「あの時、別の選択をしていたら」。そう思ったことは大人なら誰しも一度はあるだろう。私も独身で仕事が趣味みたいな生活をしているが、主人公同様「あの時、あの人と一緒になっていたら…」なんて思い返すことはたまにある。そうしたら、お金にはあまり余裕がなく部屋も汚くて服装にも気を遣えないけれど、子どもが何人もいて良くも悪くもにぎやかな暮らしをしていたかもしれない。 子どものいない私だけど、子どもをかわいいと思う感性くらいは持ち合わせている。そして子どものあるなしに拘わらず、人への思いやりは大切だってことも人生経験の中で十分過ぎるくらい知っている。だから、これらのことを「天使のくれた時間」で思い知らされた主人公が、元の現実へ戻った時に「もう一度子どもたちに会いたい!振ってしまった恋人と話がしたい!」と願う気持ちは想像がつくし、映画のテーマが仕事<家族なのだという、愚かな拡大解釈による怒りを覚えることもなかった。むしろ、主人公が子どもたちと再会できるという取ってつけたようなハッピーエンドでなく、元恋人と2人でコーヒーを飲みながら談笑するというラストシーン(ジャケ写のシーンね)にリアリティを覚え、素直に感動した。 「天使のくれた時間」は夢だったのかもしれない。でも、その時間を現実のものにするための一歩なら踏み出すことはできる。 これからの2人に明るい未来が待っていることを想像させる、素敵な終わり方だった。 ニコラス・ケイジの魅力が堪能できるという意味でも、素晴らしい名作。

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