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ビジターQ (2000)

監督
三池崇史
  • みたいムービー 28
  • みたログ 119

3.49 / 評価:45件

三池インモラル

  • 諸星大五郎 さん
  • 2009年4月17日 1時40分
  • 役立ち度 32
    • 総合評価
    • ★★★★★

本作のレビュはさすがに書くのをためらう。
R18指定の三池映画。

 90年代中盤に躍り出た異端児三池が、「DEAD OR ALIVE」の後に撮った作品。
怖いものなしだった三池が、家族をテーマにタブーを描く。
 ルチオ・フルチのスプラッターや、パゾリーニの「ソドムの市」
あるいはミヒャエル・ハネケの「ファニーゲーム」のように
意図明確に鑑賞者を挑発してくるへビーでインモラルな作品。

 嫌悪するか、絶賛するか。それは鑑賞者の自由。
三池作品の中でもタブー描写が過激で、封印されている感がある作品なので
万が一ご観賞の節は、ご注意を。

 三池監督が本作で描くのは悲惨な仮面家族。構成員は父と母と息子と娘。
その家族の前に突然現れる訪問者。

 このシチュエーションはパゾリーニの「テレオマ」だろう。
「明日、着く」という電報とともに
家族の中に当然あらわれる正体不明の男「テレオマ」 
その男に家族全員が魅了されはじめた時
彼にまた電報が届き、彼はどこかへ去っていく。

その直後、家族はそれれぞれに奇怪な行動を起こし崩壊する。

 「ビジターQ」もそうだ。
腐敗しきった家族のもとに突然やってくる正体不明の男。
この男は何をするでもない。
この家族をただ見ている。
この男に見られることで、解体し尽くした家族は、さらに解体を始める。
家族という絆が解体した先にある「解体」

 それは家族という構成員ひとりひりの「自己崩壊」に他ならない。

しかし三池監督はここで言う。

「解体したまま均衡を保つより、いっそ自己崩壊してエネルギーに変われ」と。

母役の内田春菊さんは怪演、父役の遠藤憲一さんは狂演。
しかし、エンケンさんの汚れを怖れぬ役者魂は、いつ観ても凄いな。
覚せい剤を妻に打たれて急ピッチなハイになる後半は
もう手の施しようがない…(爆)

眉をしかめるようなインモラルを、インモラルのままに終結させるジャンク映画は多い。
しかし、インモラルを、寸分違わぬインモラルのまま
一気にカタルシスまで持っていくだけのポテンシャルのある映画は稀有だろう。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 笑える
  • 不気味
  • 知的
  • 絶望的
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