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ビジターQ (2000)

監督
三池崇史
  • みたいムービー 28
  • みたログ 119

3.49 / 評価:45件

レビュー書くのがこれほど難しい作品とは

  • tis******** さん
  • 2009年9月15日 16時22分
  • 役立ち度 20
    • 総合評価
    • ★★★★★

監督で映画を選んで観る事がほとんど無かった私。
あまり深い知識もなく、ただ映画を観ている。

監督の映画での役割がいかに重要かと最近思うようになった。

脚本が良くても、キャストが良くても、
またはその逆でも、作品の全体、つまり楽しめるかどうかは監督にかかっているのだろう。
どういった場面で監督の影響があるのかなど、具体的にわからないが、この作品をお勧め頂き、
ほんの少しその部分がわかったようなきがする。

この作品、正直いただけない。
とてもつらい。
グロイ、エグイ。

S性を持つことは人間として当然だろうし、それに反するM性も当然持ち合わせる。
どちらのウエイトが大きいかというより、どの場面に自我の部分が強く出るのかによって変わる。
この映画の全編にただよった、なんともいえない空気感にあっとうされた。

シュールに家族の風景を描いたショットは、大きく世間とずれているが、この画の中に入ると、それがほんの少しのズレにしか感じない。
作品の中に起こっているインモラルな世界が、まるで当然のように展開してしまう。

きっと、こうなる、きっと、こういう心理だ、などという追従は許さず、一方的に進む。
殺し屋1でも感じた方向性に迷いの無い作品だ。

まだ漠然としているが、これがヤッターマンを撮る監督の技なのか?と思わず首をかしげた。

ストーリーも登場人物も一切の感情移入を許さないポジション。
謎の男がいつのまにか軸になり、あたかも当たり前のように展開していく。
不思議と時間が経つのが早くあっという間に終わってしまった作品。

終始、胸の奥にあるもやもやがのこったまま・・・。

やられた、と感じる。

逆噴射家族では同様に家族の崩壊、壊滅を描いていたが、残念な事に邪念を感じた。
貫きがない。
作品のなかで揺れが感じられる。だから普通なのだろう。

この作品では媚も揺れもない、一方的な惨劇、シリアス、その中にある、引きつらねば笑う事が出来ない場面の数々。
個人的に受け入れる事が出来ない場面がどれだけ無数に展開されても、怖がる事と反する、その先を見たいという衝動に駆られる。
S性をM性が擁護し、よりS性を高めてしまう、少し怖い人間の部分に食い込んでくる。

三池監督の作品をそれほど多く観ていないのに、どの作品も強く印象が残る事から考えても、それが監督の影響から来ていて、そして監督の意図する画面の力を浴びせてくるからだろう。

エゴとしてつくり上げた作品は、映画でなく建築でも絵画でも彫刻でもそうだが、いやらしさを感じてしまい、そのいやらしさが作り手の逃げ場となっていて、唯一無二の作品になるどころか、心にも残らない駄作になる。

ご紹介頂き観ては観たものの、絶対酷評してやる、という私の欲をあっさり引きちぎり、インモラルの世界で笑う遠藤憲一にやられた。
監督は遠藤憲一を知り尽くし、遠藤憲一もまた、自分を知り尽くしている演技だ。

こっけいだが、怖い。
怖いが、こっけいで仕方ない。

ストーリー展開のドタバタ感をラストに感じてしまったので☆一つ削減。

作品全体のテーマ、人物すべての設定、どれもこれもあってはならない世界。
なのに家族という同一に括るとその輪の中ではまるで当然の道徳となってしまっているかのように感じる。
観るのが怖い作品だが、監督というポジション、それを知るにはありがたい作品でした。

花火が家の中に打ち込まれているのを実況中継する遠藤憲一の目。
演技の幅を超えた狂気の輝きに吸い込まれてしまいそうだ(笑)
ますますファンになりました。
キュートなお尻にドキドキです。

おバカ?と定義してしまってもおかしくない映画。
三池監督はそのギリギリで観客が思わず目を覆う場面を挿入する。

全編に淀んだもやもやはこれだ。
すっきりさせてくれそうでどこか抜けきれない。
グロいシーンの挿入、インモラルな風景、ありとあらゆる場面に見る、監督の一本筋の通った演出。

まるで、こちらを観ているようだ。

お勧め、ありがとうございました。
私にはまだまだ三池監督が解らないのかもしれません。
今後も作品を通していろいろご教授願います。

・・・・遠藤憲一さんにスタンディングオベーションです(笑)

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