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日本の黒い夏 冤罪 (2000)

監督
熊井啓
  • みたいムービー 39
  • みたログ 339

3.58 / 評価:96件

どこが黒い夏なの?

  • twi***** さん
  • 2015年8月3日 16時57分
  • 閲覧数 1315
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

熊井啓監督ってどっかで聞いたことのある監督だったけど「黒部の太陽」の監督だったんだね。

NHKBSを録画したDVDで見たのだが台詞の場面と情景描写の場面で突然音量が大きく変わったりするんでテレビの音量調節が大変だった。

遠野なぎこっていまやすっかり男遍歴の激しいお騒がせキャラだけど15年前はとっても素直そうな子だったんだね。

細川直美は最近ずっとご無沙汰だけど結婚して子供もいるようだしもう引退したんかなぁ。(どうやら映画はこれが最後みたいだ。)

北村和夫と北村有起哉が親子競演してるのも面白かった。(直接的な競演シーンはなかった)
息子の有起哉は,他社に抜かれることをおそれ,思い込みが激しく,上滑りする若い放送記者を演じていたのだが,やたらとタバコを吸いまくるだけ(20年前はあんなに堂々と職場で喫煙ができてたんだね。すっかり忘れてしまった。)で何の存在感もなかったのに対して父の和夫は出番は少なかったものの人権派の弁護士としてしっかりと重厚な演技をしていた。さすがだな。

でも地方テレビ局の報道チームなんてどこもあんなもんだ。新聞からネタをもらってカメラで映像化してればそれで十分で,独自の取材なんて県民が登場するイベントのような日々の取材がおろそかになっちまうからしたくても出来ないのが普通だと思うよ。地方局の報道番組の視聴率は結局真実追求の度合いじゃなくて地元の人がどんだけ画面に登場するかできまってくるんだもん。

被疑者以外の犯人の存在をほのめかす特番に対する視聴者の意外な行動に戸惑うテレビ局経営陣の状況はちょっと戯画化しすぎの感もあるが真摯な態度で取材チームを指揮する笹野部長(中井貴一)は好感が持てた。

それにしても長野県警の典型的な思い込み捜査と独善的な取調べには腹が立った。
当時長野オリンピックを控えて治安の維持と犯罪検挙率の向上に躍起になっていたという背景説明があったがそれにしても被疑者の人格や人権を全く無視したレベルの低さにはあきれる。だからこそ捜査過程の可視化が重要なんだと改めて思った。

実際はオウムがあれだけの設備を上九一色に作って製造したのにも関わらずバケツで混ぜる程度でサリンが合成できるという専門家の発言が一人歩きして神部が追い詰められていく様は恐ろしかった。大体マスコミに登場する「専門家」なるものはいい加減なやからが多いことは世の常識ではあるものの福島の原発事故ではあまりにもこの種の「専門家」が多かった。

松本サリン事件はリアルタイムで知っていたがテレビのワイドショーなんか河野氏を完全に犯人扱いにしていたことを覚えている。
その後地下鉄サリン事件が起きて松本の事件もオウムの仕業とわかり大変驚いた。
いつのまにか視聴者もマスコミに洗脳されてたんだね。


冒頭,事件直後の現場の混乱した様子をドキュメンタリー風に描写し一連の出来事を振り返りつつ最後にオウムによる実際の犯行の様子を種明かし風に見せるというのは演出の手法として大変面白かった。
我々は真犯人を知っているからこそ冤罪に流れていく警察やマスコミの動きを客観的に評価することが出来るんだなと改めて思ったが,当時限られた情報とマスコミによる決め付け的な報道姿勢,一般市民が通常は持っていないような薬物類を大量に持っていてた被疑者の客観的な状況からすると被疑者犯人説も一定の説得力を持つことは否定できない。
確か同時期にいわゆるロス疑惑が大々的に取り上げられこちらの被疑者は冤罪を主張してマスコミにたびたび登場していたことも河野氏にとっては不幸だったのかもしれない。

でもタイトルの「日本の黒い夏」ってのはなんか霞ヶ関とか永田町の物語っぽいイメージなんだけど単に「冤罪」のほうがインパクトがあったんじゃなかろうか。

詳細評価

物語
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演出
映像
音楽

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