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モレク神 (1999)

MOLOKH/MOLOCH

監督
アレクサンドル・ソクーロフ
  • みたいムービー 34
  • みたログ 25

4.27 / 評価:11件

エヴァとヒットラーの不思議な関係

  • mas******** さん
  • 2007年12月8日 23時33分
  • 閲覧数 356
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

青い霧のかかったような画面、そして常に何らかの物音がしている映像、ソクーロフ監督の独特の映像美学がこの映画でも存分に楽しめる。

この作品は、ワーグナーの「神々の黄昏」のジークフリートの葬送音楽で幕を開ける。自らを神話の英雄ジークフリートになぞらえていたヒットラーの、今まさに黄昏が始まろうとしていた1942年の話だけに、ぴったりの選曲だと感心した。

山荘に着いたヒットラーと側近のボルマン、ゲッペルス夫妻を迎えるのは愛人のエヴァ。ヒットラーの山荘での発言やジョークには、次元の低さ、くだらなさしか感じられない。しかし、エヴァ以外の人々は、ヒットラーの大して深く考えてもいないような一言一言に過剰すぎるほどの反応を見せ、絶えず怯え、究極のイエスマンに徹している。権力者の逆鱗に触れて粛清されるのを恐れてのことだろうが、その極端さが笑いを誘う。
唯一人、エヴァだけが、そんなヒットラーに普通に接することができている。そして、ヒットラーもそれを心地良いと感じながらも、所詮はたかが女のたわ言と軽視している。

この映画を見ていて、ヒットラーのようなレベルの低い人物を、ドイツの国民自らが権力者に選んだ、どうしようもない時代の流れというものに、何とも言えないむなしさを感じてしまう。

二十世紀3部作は、どれも見ごたえのある作品だったが、ソクーロフは四部作の最後の一作にゲーテのファウスト博士を選んだとのことだ。今回は、架空の人物だけにその人物描写に興味をそそる。早期の映画の完成を期待したい。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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