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ロード・オブ・ザ・リング (2001)

THE LORD OF THE RINGS: THE FELLOWSHIP OF THE RING

監督
ピーター・ジャクソン
  • みたいムービー 262
  • みたログ 1.1万

3.92 / 評価:2021件

壮大なるケツ拭きファンタジー

  • pop******** さん
  • 2021年5月18日 19時14分
  • 閲覧数 344
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

原作「指輪物語」は未読。そのため私は「ロード・オブ・ザ・リング」という独立した作品として扱う。映画化したのだから映画で設定や物語が完結していないとおかしいし、外部情報が無いと理解出来ない作品なんて物語として完全に失格だからだ。

映像作品としては相当な気合が入ったシリーズで、3部作なのに全編で11時間という地獄の黙示録もびっくりな長さ。シリーズものの映画の大半は見終わる長さだろう。しかし、この長さに意味があるかは甚だ疑問が湧く。

この旅はフロドがサウロンの指輪を破壊する使命を帯びる所から始まるが、なぜフロドじゃないとダメなのか?なぜ彼だけ指輪の誘惑に耐性があるのか?という点に関してはそういうもんだと納得するとして、フロドが指輪を運ぶのに周囲が全く力を貸さないというか、バカというか、完全に無能。「フロドむかつく」という感想がよくあるが、彼に関してはむしろ完全に被害者であり、周囲の連中がまるで役に立たないせいで無駄に重荷を背負わされてしまってる。実際最終章の彼は完全に疲れ果てて、指輪にも侵食されてボロボロだ。そうならないようにするのが周囲の連中の役目じゃないのか?
想像してほしい。あと1日フロドが遅れていたら指輪は破壊出来ただろうか?無理なはずだ。フロドは日に日に弱り、敵は日に日に強くなるのだから。ならば1日でも早く指輪が破壊出来るように頭を使うのが常識だろう。

とにかく周囲の連中は、指輪をいち早く破壊する事に知恵を貸さない。移動手段を考えるとか、ルートを考えるとか、必要な物資を考えるとか、この先待ち受けるトラブルを全く予想せずに全て行き当たりばったりで考える。そのせいでトラブルに遭い凄まじいタイムロスが発生する。全ての元凶が指輪なのだから、さっさと破壊すれば問題は解決するのだ。サルマンなんてほったらかして先に進めば軍団が出来上がる前にサウロンを倒せたかもしれないし、王国が襲われておびただしい犠牲者を出す事も無かったかもしれない。

特にガンダルフ。こいつのバカさがドミノ倒しに後々のトラブルを誘発する。準備無しで雪山に入って仲間を凍えさせる。そこでよりにもよってホビット庄から出た事のないフロドに道を決めさせる。いや、バカかよお前。お前が一番物を知ってるんだからお前が決めろよ。
その結果モリアの坑道に行くはめになる。扉のパスワードを忘れてなんか襲われる。モリアの坑道がどうなっているか情報が無いせいで中でオークに襲われる。おまけにバルログとかいうモンスターにも襲われて、なぜか今にも崩れそうな細い橋のど真ん中でガンダルフが足止め、橋が壊れてガンダルフ死亡。このシーンが一番謎で、なぜあんな壊れそうな橋の真ん中でわざわざ足止めしたのか?なぜ渡り切らなかったのか?渡り切れば足場が崩れても仲間が助けに行けただろう。そもそもあの巨体の敵があの橋を渡れるとは思えない。見え見えのフラグを立て、クソ程の意味も無く死ぬのだ。そして、一番頼りにしていたガンダルフを失いフロドはショックを受けてしまう。

他の連中も、なぜ全ての元凶たる「指輪の破壊」に力を貸さないのか。エルフ連中は食糧とナイフ、鎧とオシャレな懐中電灯だけ渡してトンズラ。フロドしか指輪を破壊出来ないなら全部フロドに渡してやれよ。他の連中は建設的な議論を全くせず、フロドが自分が行くと言い出せば「どうぞどうぞ」と丸投げ。ダチョウ倶楽部か。

このように無能が揃い踏みだが、この作品のキャラクターは全員必要だという人もいる。全てのキャラクターが指輪の破壊に貢献しているという話で、確かに誰か一人でも欠けたらフロドは指輪を破壊出来ない。この話、実はカラクリがあるのだ。
この作品に出てくるキャラクターには、弱点や欠点が存在しない。欠点というのは、例えばどうしても乗り越えられない辛い境遇や体験。普通は成長を通じてそれをキャラクターが乗り越える事で、観ている側もカタルシスが感じられるのだ。
しかし、本作では最初と最後でキャラクターの成長がほぼ感じられない。本作ではキャラクターの欠点が「弱さ」という万能な欠点に集約されており、指輪の誘惑など良い感じのタイミングで「弱さ」が炸裂、キャラクターが無能化し誰かがケツを拭く必要が出てくる。このケツ拭き役が必要なので誰も欠けてはいけないのだ。ピピンのしくじりはガンダルフがケツを拭き、ガンダルフのしくじりはアラゴルンがケツを拭く。ビルボが指輪を拾ったためフロドがケツ拭きをさせられ、フロドのケツはサムが拭く。ゴラムはフロドのケツ拭き誘発役だ。お互いがお互いのケツを拭き合う事でようやく前に進める。だからこの作品のキャラクターは全て(結果的に)必要、という仕組みになっている。

壮大な世界観で描かれるスペクタクルケツ拭きストーリー。美しい映像と11時間に及ぶ仲間同士の壮絶な足の引っ張り合いを楽しもう。

詳細評価

物語
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