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ムーラン・ルージュ

ムーラン・ルージュ

MOULIN ROUGE!

128

nio********

2.0

ネタバレどうぞご勝手にって感じ

ストーリーは王道中の王道でいて、上っ面の良いとこだけをすくった感じ。 高級娼婦と貧乏作家の愛を語るのに、高級娼婦はステージ上の煌びやかな部分しか語られない。 ムーランルージュは私の家だ、ショーは続けなければならない、というセリフに重みがない。 なぜ娼婦にならなければならなかったのか?ムーランルージュのNo.1娼婦に至るまでの紆余屈折や努力の影が無い。まるで金と夢だけに目が眩んだ女のように描かれる。 だからこそ貧乏作家と恋に落ちる理由がない。 貧乏作家も貧乏というわりにその辺の苦労や葛藤が描かれず、ただエゴ的な愛に溺れたどうしようもない男にしか見えない。 娼婦側の気持ちや都合を一切考慮せず、愛しているから君も愛してくれと喚き散らすだけ。 公爵が悪役のように描かれるけど、高級娼婦の愛を買う為に“お金”という形でも尽くす姿勢を見せるのがよっぽど共感出来る。 仕事と私どっちが大事なの? なんて言葉がよく言われるけど、貧乏作家が高級娼婦にそればかりを突きつけている。 劇中では描かれないが、高級娼婦にムーランルージュは家だ、ショーは続けなければならないと言わせるのなら、そこには深い理由がきっとあるはずで、それを全て捨ててくれ!貧乏だけど愛ならある!と喚き散らす男に一体何の魅力があるのだろうか? 愛があればいい パンも必要よ 愛があればいい 飢え死には出来ないわ なんてやり取りがあるが、高級娼婦の言い分の方がよっぽど筋が通っている。 挙句の果てには高級娼婦が優しさ故に貧乏作家を傷付けてまでも突き放し、ショーに立つのだが、貧乏作家は嫉妬にまみれてムーランルージュに忍び込み、ショーに乱入する。 最後までプロであろうと、愛も金も夢も冷静に見定めた高級娼婦に金を投げつけ、ショーの本番中に感情的に叫ぶ始末。 無理だわ〜、無理無理。 だって自分の職場に恋人が乗り込んできて、全て捨てろ!一緒にいてくれ!なんて叫ばれたら誰だって無理でしょ。 娼婦という仕事を特質なものと扱う意味もわからない。 昇進のチャンスや長年の夢を捨てて!と叫ばれたらと想像すれば誰にでもわかるはず。 結末としては高級娼婦が結核によって死に、愛もクソもない終わりになるわけだが、残される人間は貧乏作家だけじゃなくて、ムーランルージュに関わる全ての人間もなはず。 公爵だって高級娼婦が死んだとなればそれ以上追い回すことは出来ないが、それまでムーランルージュに散々投資した金を何事も無かったように消化出来るわけもないし、店の権利書まで持っているわけで、全てがめでたしめでたしには絶対ならない。 1組の男女の愛を描く上で、当人達の犠牲はさほどないのに、周りの人間達の犠牲の大きさたるや。 タイタニックやロミオとジュリエットのほうがよっぽど他人様に迷惑をかけずに愛を貫いてるだろう…。 ミュージカルとしても映画としても薄っぺらく、見て損したとまでは思わないが2度見ることはないし、他人に勧めたいとも思えない。

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