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案山子 KAKASHI (2001)

監督
鶴田法男
  • みたいムービー 5
  • みたログ 64

1.56 / 評価:16件

真ん中までは怖いです

  • cyborg_she_loves_me さん
  • 2018年12月18日 18時03分
  • 閲覧数 620
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

 鶴田法男っていうこの監督、「ジャパニーズ・ホラーの巨匠」みたいに持ち上げる人が多いですけど、いや実際、「ほんとにあった怖い話」のシリーズなんかは人気もありましたけど、それは洗濯物でもたたみながら軽く流し見できるショートストーリーの場合は、という話であって。

 本格的な映画になると、総じてつまらない作品が多いです。

 この「案山子」も、私の大好きな伊藤潤二さんのコミックの映画化ということで、期待していたけど、見事に裏切られました。

 それでも、ちょうど半分ぐらいまで、かかしが動き出して人を襲うようになるまでの、薄気味悪さの演出は、とてもよかったです。

 特に「うまいな」と思ったのは、効果音の入れ方です。
 古い日本家屋の床のきしみや、すきま風の音。
 遠くから聞こえる鳥の声。
 不気味な風車のまわる音。
 そういうのが、よそ者を警戒してほとんど誰も口をきいてくれない不気味な寒村の風景とともに、ぞっとするような雰囲気を見事にかもし出しています。

 ところが、泉(柴崎コウさん)が、主人公のかおる(野波麻帆さん)や、彼女の兄の剛(松岡俊介さん)と、どういう関係にあったかをくだくだ説明したりとか、かかしがゾロゾロと動き出したりとか、物語が動き始めた途端、一気にすべてが安っぽく、馬鹿馬鹿しく、筋も通ってない、つまらない映画になります。

 で、見終えた結論。

 何が起こってるのか、兄がどこへ行ったのか、村人たちはなぜ私に敵意を持つのか、何一つわからない前半は、確かに怖いです。
 人間って、「わからない」っていうのが一番怖いんですよ。
 たとえそれが悪霊であっても、かかしが動き出すような超常現象であっても、こういう理由でこういうことが起こっているという正体がはっきりわかった途端、話はまったく怖くなくなる。
 そして、物語の荒唐無稽さだけが印象に残ってしまう。

 かかしなんて動き出さなくてもいいから、いっそ、兄も、泉も、どこへいったかまったくわからない、村人たちも最後までまったく口をきいてくれない、帰ろうにも車は動かない、何もかもが謎のまま、ぷっつりと終わった方が、はるかに怖い映画になってたんじゃないかと思います。

 謎を作った以上、解決しなきゃ、と思って映画を作っているとしたら、この監督、「怖さ」ってものの本質がまったくわかってないですね。

詳細評価

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