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メメント (2000)

MEMENTO

監督
クリストファー・ノーラン
  • みたいムービー 828
  • みたログ 7,020

3.76 / 評価:2869件

想像を絶する奇妙な世界の疑似体験だ!

  • エンタメ至上主義 さん
  • 2007年6月6日 23時44分
  • 閲覧数 8517
  • 役立ち度 96
    • 総合評価
    • ★★★★★

現在上映されている「プレステージ」の紹介文では必ず、
「『メメント』のクリストファー・ノーラン監督」という形容詞がつく。

「メメント」自体がそれほどメジャーというわけではないので、
「メメント」って何?という人も多いだろう。
「メメント」は超名作なのだ。
知らない人には是非紹介したい。

主人公は「前向性健忘」という記憶障害を持つ。
「記憶喪失」の映画は五万とあるが、「前向性健忘」をテーマにしたのはあまりない。
この「前向性健忘」という病気が凄さまじいのだ。
過去の記憶を失うのではなく、現在進行形で起こること起こることを数分で片っ端に忘れていく。

ちょっと実演してみる。
部下:「課長おはようございます」
 課長:「あれ?あなたは誰でしたっけ?」
部下:「山田ですよ。課長の部下の山田です」
 課長:「ああ、山田君か。ああ、おはよう」
部下:「このレポートなのですが、チェックしていただけますか?」
 課長:「え?これなんのレポートだっけ?」
部下:「昨日課長が提出するようにおっしゃったレポートです」
 課長:「ああ、そうか。よし、見ておくよ」
部下:「はい。お願いします」
 課長:「ところで」
部下:「はい?」
 課長:「あなたはどなたでしたっけ?」

こんなギャグ漫画にもなさそうなくらい、強烈な病気なのだ。
これが現実となると笑えない。
記憶喪失は、過去を忘れるだけで生きていくには何の問題もない。
だがこの病気の場合、おそらく危険すぎて普通の生活はできない。

この映画の最大の特徴は、リバースムービーという時間が反対に進行していくこと。
現在から過去へ、そしてさらに過去へと、逆行してすすんでいく。
この時間逆行に対して、「いたずらに映画を難解にしている」と毛嫌いする意見もあるが、
それは違う。
時間の逆行には、必然性がある。

なぜなら、数分しか記憶がもたない主人公にとって、
ちょっと前の過去は未来と同じく未知の世界だからだ。

「過去が未来と同じ未知である世界」

この、普通の人間には想像を絶するような凄まじい状況を、
この映画では観客が擬似体験できるのだ。

例えば、
主人公が仲良しの女とラブラブな場面からその直前に遡ると、
突然女が主人公を口汚く罵って暴力を振るう場面がある。
観てる方は、「え?何?何がどうなってんの?」と混乱する。

実は、女は主人公の病気を知っていて、それを利用していたのだ。
女は、部屋から筆記用具を隠して、主人公をボコボコにいたぶる。
主人公は、女に裏切られて痛めつけられていることをメモしようと必死にペンを探す。
忘れないうちに書きとめようと必死に探す。
探す。探す。探す。探す。
そして忘れる。
次の瞬間、女は「愛しているわ」と囁き、主人公はデレデレ状態になる。

ちなみに本作は、3回見ることをお勧めする。
1回目は、普通に見て、驚愕のラストにおったまげる。
2回目は、特典映像のリバース版(つまり普通に時間構成)を見て、作品の完成度の高さに気づく。
3回目は、もう一度逆行バージョンで最後の仕上げ。

世にも奇怪なこの疑似体験、是非堪能していただきたい。

詳細評価

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