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リリイ・シュシュのすべて (2001)

監督
岩井俊二
  • みたいムービー 749
  • みたログ 3,881

3.51 / 評価:1268件

嫌いだけどどこか捨てがたい映画

  • cyborg_she_loves_me さん
  • 2018年1月20日 12時09分
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

「スワロウテイル」なんかもそうですが、この頃の岩井俊二さんに多い実験的作品です。
 そして、そういう実験的なところがいちいち引っかかって、イライラしてきて見るのが嫌になる映画です、私にとっては。
 描いている内容は、考えさせられる重い問題を扱ってるんですが、その重さを感じる前にこのキテレツな演出に妨害されて嫌になってしまう。

 ボソボソとしたしゃべり方は、中学生の日常会話の雰囲気を出そうとしたのでしょうが、聞き取りにくくなっただけで、演技口調はぜんぜん取り除けてない。棒読み。

 夜のシーンのライティングは下手のきわみ。暗い夜道のはずなのに登場人物のところにだけまぶしいほどの四角い形の光が当たってて、あまりの不自然さに、照明さんや撮影スタッフの姿が見えてるような錯覚にすら陥る。

 それからこの映画、固定カメラをほぼまったく使ってませんね。ほとんどすべてポータブルカメラで撮ってるので、画面が終始ゆれつづけているのが、臨場感をねらったのかもしれませんが、私はイライラしました。

 そして、他の方も書かれていますが、このキーボードの音と共に、文字化けの字から変換されて出てくる、文字。これが短時間で消えるので、観客はこれを必死で読まないといけない。ところが背景が明るすぎて非常に読みにくい部分がある。しまいに、映画見てるのになんでこんな文字ばっかり必死で読まなきゃならんの、と腹が立ってくる。

 等々。

 というわけで、演出に関してはもう「ひどい」の一言の映画としか感じないんですが、にもかかわらず、これを即刻ゴミ箱送りにして終わりにする気になれないのも事実なんです。

 それは、ここに描かれている中学生たちの姿を見ていると、同じ世代だった頃の私自身を思い出して、なつかしくて仕方がない気分になるからなんだと思います。
 投げやりで、退廃的で、何もかも周りの大人たちが悪いような気がして腹が立って、でもじつは全然何もわかってなくて、必死なんだけど全部勘違いしてて。あああの頃の自分もそんなふうだったなあ、という感覚。
 岩井俊二監督が、そういう大人たちの忘れてしまった繊細な感覚を持ち続けている人であることは、よく伝わってきますね。

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