OVER SUMMER

BULLETS OVER SUMMER/爆裂刑警

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OVER SUMMER
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(1件)

悲しい20.0%勇敢20.0%泣ける20.0%コミカル20.0%切ない20.0%

  • xi_********

    3.0

    人にはそれぞれ事情がある

    95年に『夜半1点鐘』で監督デビューするや順調にヒット作を重ね、ここ数年はドニー・イェンとのコンビで名を売ったウィルソン・イップ。日本でも『イップ・マン』シリーズが好評を博し、今年(11年)の5月には、あの『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』(87年版)を最新VFXでリメイクした『倩女幽魂(英題:CHINESE FAIRY TAIL)』が話題となるなど、今や香港映画有数の稼ぎ頭として認知されつつあります。 この映画は、その彼の名が海外へも知られるきっかけとなった、99年の出世作。 『爆裂刑警』と言う原題からは香港映画お得意のポリス・アクションを想像させますが、その実、本作は主人公の刑事ふたりが捜査中に出会う人々との交流を中心に描いた、少しホロ苦いヒューマン・ストーリー。映画を観ると、多分、ほとんどの人が「この原題ってどうなの」と言う感想を抱くと思いますが、珍しく邦題(と英題)である『(BULLETS)OVER SUMMER』の方がしっくりきたほどです。 では、そのストーリーを少しだけ紹介しておきます。 一本気なマイク(フランシス・ン)と、女好きのブライアン(ルイス・クー)。対照的なふたりの刑事は、白昼堂々銀行を襲撃した凶悪犯一味逮捕のため、情報屋からのタレコミをもとに、犯人アジトの向かいにあるマンションの一室で張込みを開始する。だが、この部屋の住人が痴呆症の老婆(ロー・ラン)だったことで、ふたりは何かとその世話を焼く羽目に。そこに情報屋の妹分(ミシェル・アリシア・サラーム)まで転がり込み、しかもブライアンが彼女に一目惚れしてしまう。そしてマイクは、ある日、健気にクリーニング屋を営むひとりの妊婦(ステファニー・ラム)と知り合い・・・。 最初に言うべきでしたが、本作は、かなりの低予算映画です。 そのせいなのか、本作の演出、ストーリー、映像、出演者は、そのどれもがかなり地味な印象を与えます。 序盤と終盤にほんの少しだけ挿入されるアクション・シークエンスは、そう呼ぶのが憚られるほど、香港映画と聞いて想像するような水準にはありません(そもそも映画の方向性が違うってのもありますが)。脚本も「刑事もの」に「交流ドラマ」を足すなどして、色々工夫した痕跡は窺えますが、全体的に「ありきたり」な印象に終始することは否定しません。 刑事ものとして幕を開けながら、突如としてヒューマン・ストーリーへ転調(スローダウン)する辺り、観る人によっては肩透かしを喰らわされた感じになるでしょうし、単に「つまらない」と感じる人もいるでしょう。特に最近のウィルソン・イップの作風(情緒豊かなドラマ+激烈アクション)しか知らない人には、かなり意外(期待外れ)な映画に映るかも。 一方で、私のように、この転調を歓迎する人も多くいるはずです。 本作の重心は、明らかに「痴呆症の老婆+ふたりの刑事」が形成する“擬似家族”のドラマに置かれており、そこに、やがて不良少女とワケあり妊婦が加わることになる。ウィルソン・イップは、この部分をいつもの過剰にドラマチックな演出を控え、淡々と、しかし少しのユーモアと爽快感と悲哀を加え、さらりと描いています(マイクが老婆に添寝するシーンは本作の白眉でしょう)。映画の終盤には主人公のマイクが抱える苦悩が明かされ、観客は、この物語が彼の長年の望みであったことを知るのですが・・・ここが映画の肝なんで割愛。 恐らく、結末(マイクの選択)は賛否両論でしょう。 私も彼の気持ちは理解出来るものの、人にはそれぞれ事情があるのもわかるんだけど、やっぱり何度観ても支持する気にはなれない。 あまりにも香港映画らしい結末とは言え、ありきたりとかそんな意味ではなく、この結末だけは受け入れたくないと言うか。このラストを非難する気はないですし、だからこの映画を嫌いだなんてこともないんですが、(私のように)マイクに感情移入した人は、かなり複雑な心情を味わうことになるでしょう。 個人的には、大好きなフランシス・ンが(この当時の)過剰な悪役演技から脱却し、なんとも無骨で不器用な男を“ぎこちなく”演じている姿が見られただけでも、心から満足。香港ではロー・ランに評価が集まったみたいですが、やっぱりフランシス・ンの巧さを味わえる映画だと思います(贔屓目なのかな)。 この映画、いつかどこかで観たような映画であるとは思います。 あえて他人(ひと)にススメるような映画でもありません。 それでも、いつかは手に取って欲しいと思う、そんな映画です。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
OVER SUMMER

原題
BULLETS OVER SUMMER/爆裂刑警

上映時間

製作国
香港

製作年度

公開日
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