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モスキート・コースト (1986)

THE MOSQUITO COAST

監督
ピーター・ウィアー
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  • みたログ 592

3.22 / 評価:140件

自然に憧れた発明家

  • 仙台っ子 さん
  • 2011年4月11日 21時00分
  • 閲覧数 695
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

文明と文明の接触。
実にピーター・ウィアーらしい題材だと思う。
ただ、そこでは異文化理解などといったものは一切描かれていない。

文明社会であるアメリカの現状に嫌気が差して、自然の中で暮らすことを独断で決める父親と、彼に従う家族たち。
一家の中で、父親は絶対的な存在である。

傍からは狂信的で独善的に見えても、父親の言う通りにすれば全てが上手くいく。
そうやって今まで生きてきたのだろう。
何もない土地ではなおさらである。
彼にすがり、頼ることしかできない。

父親も今まで一度も、自分の意見が家族に反対されたことなどないのであろう。
1人で喋りまくり、1人で物事を判断し、1人で突き進んでいく。
そんな彼を見ているとアメリカから出て行ったのも、周囲が自分を認めてくれないことに腹を立てたようにしか見えない。

全て自分の思い通りにしたい。
王になりたい。
全能の神になりたい。

だから、“文化”を排して自然の中で暮らすことを理想とするのではなく、何もない自然に自分の“文化”を押し付け、自己満足しているに過ぎないのである。
自然に憧れを抱いているにもかかわらず、職業が発明家=“文化・科学”という相反するものであるという矛盾からもそれは明らかだ。

彼が来たことによって、その土地に文化が注入され、生活が便利で快適になったことは確かである。
だが、本当にそれでいいのだろうか。

徐々に盲目的になっていく男に待っているのは、一種の裁きである。
秩序を作ろうとして、逆に自然界の“秩序”を狂わせた男の最期。
その姿から見えてくるものは、人間のエゴイズムであり、優劣という尺度で全ての物事を判断しようとする人間の愚かさであり、また絶対的な父親の喪失でもあるのだ。

詳細評価

物語
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