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アメリ

アメリ

LE FABULEUX DESTIN D'AMELIE POULAIN/AMELIE/AMELIE FROM MONTMARTRE

120

ポンコツ

5.0

ネタバレチョコレートボンボン的な恋の物語

物語の梗概は後述。 早々に結論から言うと、大好き。 今作で特筆すべきは、やはりタイトル・ロールであるアメリだろう。 変わり者の両親に育てられた、空想好きで引っ込み思案なカフェ店員。 ふとした事から他人の幸せをそっと後押しして回ることに悦びを見出だし、精力的に暗躍する。 人知れずお節介を焼いて回るので、暗躍。 故に、誤字に非ず。 ドミニク・ピノン演ずるカフェの常連客である変人ストーカーと煙草ブースの店員の恋のキューピットになったり。 カフェ常連のCAに協力してもらって、父親のドワーフ人形を世界旅行させたり。個人的にはこれがツボ。 前者の様に、時にはその結果が上手くいかないこともあるが、構わずに。 また、自分にとって鼻持ちならない厭な奴や悪意を向ける相手に対しても、精力的に暗躍する。 コチラは文字通り。 アパートに忍び込んで歯磨き粉と靴クリームをすり替えたり、部屋履きのサイズを一回り小さいモノにすり替えたり。 怪傑ゾロ(敢えてこう書く)がZの文字を刻むが如き気分で溜飲を下げる。 もちろん映画の中だから許されることなので、念のため。 そんなある日、アメリが恋におちる。 奇妙な収集癖のある変わり者の青年に。 でも、植え付けられた性格から面と向かって会うことに躊躇して…。 その結果、選んだ方法がオリエンテーリング的な、ピタゴラスイッチ的な方法。 これが茶目っ気たっぷりで実に可愛らしい。 この不思議ちゃん役をオドレイ・トトゥが好演。 『時をかける少女』の原田知世や『20世紀ノスタルジア』の広末涼子の様に演者と役の見事なマリアージュかと。 某Kレラップの女の子に似た、幼少期アメリの子役も中々の好演。 ただ、アメリの数々の暗躍は、反面で少々卑怯でもある。まるで悪戯者のキツネの様に。 恋に臆病なトコロが特に。 作中で「ガラス男」の老画家に指摘された通り。 作戦ばかりで果たして事態が好転するか。 それでいいのか。 失意のアメリへの助言方法が見事。 ガラス男を演じたセルジュ・メルランは間違いなく今作の最優秀助演男優賞。 そして、今作には名言が。 ・チャンスとは自転車レースだ。  待ち時間は長く、たちまち終わる。 ・人間には人生に失敗する権利がある。 ・人生は果てなく書き直す未刊の小説だ。 その他、相変わらず良い意味でクセの強い登場人物、演出からステキな劇伴まで一切の文句無し。 各登場人物の好きなモノと嫌いなモノの紹介も楽しい。 まさか今作がきっかけで、日本でクリームブリュレが流行になろうとは。 証明写真の使い方が見事。 謎の男の正体とエンドロールも含めて。 更にトドメ。 日本語吹替版はナレーションが何と野沢那智。 それだけでも一聴の価値あり。 アパート管理人は池田昌子。 (メーテル役や綾鷹のCMでお馴染み) カフェのマダムは銀粉蝶。似合い過ぎ。 脇を固めるキャストが豪華すぎる。 なお、アメリ役は林原めぐみ。 という訳で。 「人生 勇気が必要だ」という金言や名言、監督の強いクセをアメリの魅力で包んだ、一粒で二度美味しいチョコレートボンボン的な恋の物語。 当然ながら星5つ。 未見の方には是非ともオススメ。 洋画は字幕派の当方だが、今作は原則を曲げて吹替版もオススメ。 追記: 物語とは全く関係ないけれど。 怪傑ゾロの「ゾロ」はスペイン語で「キツネ」の意味。 「かいけつゾロリ」が何故キツネなのか。 その理由はここにあります。

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