アイドルと歌の力 と すけべ心
- とみいじょん さん
- 4級
- 2016年3月14日 21時28分
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- 役立ち度 1
- 総合評価
監督が思い描く”少女”にやらせたいことをやらせたような映画。
しかもあえて少年っぽい様相にしたてながら、女の部分を際どく弾き出す。
けど、全部は見せない。予感だけを刺激する。エンディングミュージックまで計算しつくして。
「完璧版」のDVDを借りたらしい。
それでも?それだから?話のつながりが悪い。
シーン、シーンを見せればいい、その繋がりなんて関係ないというような強引な展開。
なので、主人公をはじめ登場人物の心情・行動原理を共感して追えない。シーンやカットごとに気持ちを切り替えてみるしかない。
なんでこの映画があれほどヒットして、有名で、リメイク、続編が出るほどファンがいるんだろうと思う。
一つは設定の面白さ。「組長は実は○○」という映画は結構ある。
一つは、渡瀬氏、大門氏、柄本氏、北村氏、寺田氏、三國氏ら脇を固める俳優のうまさ。
そんな中にあって薬師丸さんの演技はイマイチ。
演技の質以前に、何してんの?という不可解な行動が多い。人が話しているのにああいうことしながら聴くとはなんだと怒鳴りたい場面とか、ぴょんぴょん飛び跳ねるとか、変な行動も多々あり。監督がやらせているんだろう。
この監督にとって、女って、何も考えていない動物、その場その場の気分で生きている連続した心を持たない動物なんだろうか?
男性陣もそんなストーリー、演出。でも役者の演技力(自分が演じている人物を作り上げる力)で、なんとか繋がりを持った人として観られる。
加えてグラビアアイドルを撮影しているかのようなショットの多用。
ベビーフェイスの薬師丸さんに赤い口紅(ラストはまだしも、火葬場で?)、赤いハイヒール、モンローさんの真似。
若頭のあの場面を簾越しに見いる主人公。
こういうのを大人になるプロセスと思っているの?
高校生の性への好奇心を刺激する映像が忍びこむ。
かわいらしい女子高校生に振り回される中年おじん。願望が刺激される。
ロマンポルノ出身の監督と知り納得。バカにするなよと不愉快。
物語も、あるものを巡って、たくさんの人が死んでいくんだけど、それって、最初にあの人があんなことしなきゃ誰も死なずにすんだんじゃないか。それなのに、そのことを誰も追求しないどころか…(これ以上はネタばれになるので割愛)。…そんなことどうでもいいんだろう。とにかく思いついた場面を撮りたいのだろうから。
筋だけ追えば、イメージワードは「悲しい」「切ない」「勇敢」「かっこいい」「ロマンチック」「コミカル」「楽しい」「かわいい」等が並ぶんだろうけど、情動や感情がぶつ切りになれるので、チェックする気になれない。
と映画としては最低最悪。
だのに目が薬師丸さんを追ってしまう。アイドルのオ―ラなんだろう。
そしてエンディングに流れる歌。有名すぎるほど有名なあの歌。
ああ、この映画はこの曲の為のMVだったのね。とても素敵な映画を観た気にさせられる。
心に眠らせておいたスケベ心を軽く揺さぶるアイドルと歌の力。それがこの映画の魅力かな?
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