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フェリックスとローラ

フェリックスとローラ

FELIX ET LOLA/FELIX AND LOLA

89

Ayako

4.0

ネタバレルコントのサスペンス風ラブストーリー

善良で気のいい男(フェリックス)が謎めいた女(ローラ)と出会い、翻弄される物語。 ローラは一体何者なのか? それを探るべく、ミステリアスな展開に期待がふくらみます。 しかし・・・実はサスペンスではありません。サスペンス風恋愛ドラマなのです。 (そのことが、ともすると肩透かしのような印象を与えてしまい、作品の良さを分かりにくくしているかもしれません・・) 女性に振り回される男性には、どこか弱さがあるものです。 関係が壊れることを恐れていたり、良く見られようと頑張り過ぎたり、相手の本当の姿を知る勇気がなかったり・・。臆病な自分から目をそらしている限り、女性のウソを見抜くことはできません。 ローラの話は作り話だったわけですが、虚構の世界を作り上げたのは、むしろ二人の共同作業だったように思います。 フェリックスが強くなれたとき、つまり愛する女性が何者であっても、受け止めようと覚悟を決めたとき、二人には真実だけが残ります。彼はローラの孤独な心に寄り添い、はじめて同じ気持ちになれるのです。 ラストはあっけなくて、正直物足りない気がしたので、二人の未来を想像の中でふくらませ、余韻に浸ることにしました。最後に見せたローラの微笑みが、嘘偽りのない穏やかな未来を予感させます。 落ち着いたトーンと美しい映像。舞台となる移動遊園地の家庭的な雰囲気。 ミステリアスでありながら、どこか温もりを感じさせる作品です。 シャルロット・ゲンズブールは厚化粧が似合いません。その不自然な感じが逆に、ローラの内面を映し出しているようで、上手いなあと思いました。

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