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裏切り者

裏切り者

THE YARDS

115

aki********

2.0

コンプライアンス

出演者は今から思うと豪華なんですけど、あまりおもしろくなかったです。 「裏切り者」っていう邦題もどうかと思います。 主役のマーク・ウォルバーグがあんまりかっこよく見えないので困ります。すごくマザコンだし、かといって母を守るために戦っているわけでもない。 敵方は会社を守るために戦っているわけで、それに対抗するような守るものが主役側にもほしいところです。 それなくして単なる義憤で戦っても迫力で相手に負けてます。 黒髪ショートのシャーリーズ・セロンは若々しくて魅力的ですが、非常に添え物的っていうか、ストーリー上は物語を大きく揺さぶる梃になるべき位置づけなのに、演出上はあまりにどうでもいい人の扱いなので、ヌードにまでなっているのに気の毒です。 ホワキン・フェニックスがヒスパニックの上昇志向の強い若者役で、悪に手を染めていくことも全然平気なのに、途中からすごく葛藤を始めるのが変です。最初から葛藤するか最後まで悪を貫くかどっちかに徹底していただきたいものです。 そこに端的に現れているのですが、企業の不正行為に対してそれを批判しつつも仕方ないんだよと擁護するような中途半端さが、この映画からカタルシスを奪っています。 もとより絶対的な悪人が悪を行ない、絶対的な善人がそれを裁くといった、「遠山の金さん」みたいな展開を期待しているわけではないのですけれども、現代という時代や社会の闇の部分を描くのなら悪にも魅力がなくてはいけないし、善にも大儀がなくてはいけません。 どちらにもそれなりのパワーがあってそれがぶつかりあうという対決になってほしいのですが、どちらも腰が引けていて、まあそれがリアリズムということかもしれませんが、私にとっては不満でした。

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