ここから本文です

モンパルナスの灯 (1958)

MONTPARNASSE 19/LES AMANTS DE MONTPARNASSE/GLI AMORI DI MONTPARNASSE/THE LOVERS OF MONTPARNASSE/MODIGLIANI OF MONTPARNASSE

監督
ジャック・ベッケル
  • みたいムービー 58
  • みたログ 318

4.00 / 評価:116件

人間が消費される社会

  • boudara14 さん
  • 2016年11月20日 19時13分
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

昔、映画好きだった母が、この映画の画商の衝撃について繰り返し語っていたので、見にいきました。
主役二人はとても美しいです。しかし、途中モディのダメ人間ぶりに、正直うんざりしました。ですがアメリカ人富豪との商談のところで、「画家は苦悩で絵を描く」、「苦悩で酒を飲む」というようなことを言っていたので、ダメ人間に納得。クリエイターって、自分の存在をかけて作品を作るんですもんね、多かれ少なかれ。芸術家となると「全存在」ということになりますか。自分という存在に真正面から向き合うのは、確かに苦悩に身を置くことに他なりますまい。
が、アメリカ人富豪は彼の絵に「虚ろ」まで見出しながら、認めた価値は「化粧品の商標」。画商のモレルにいたっては、画家の命でさえ、絵という商品の付加価値。
こうやって人間の感情、人間の苦悩、人間の命、人間の存在までも、この社会ではただただ消費されるだけのものになっていく。この映画は、そういった時代の始まりを描いているような気がする。映画に出てくるカフェもホテルも町並みも人々の雰囲気も、まるで印象派の絵をそのまま見ているようだ。だが画家たちには見えていない「裏」もある。世界はその「裏」で少しずつ変わっていく。モディはその変化に対応できない。モディをとりまく人々も気づいていない。経済に携わる人々だけが、知らずそこに適応する。
私が映画の2時間弱の時間に見たのは、そういったものでした。それは母が見たものではなく、映画を作った人々の考えでさえないかもしれない。でもまあ、今だからこそ、見て良かったかなと思います。
経済という名目のもと、人間的感情や健康、生活、生命が、ひっきりなしに犠牲にされ、ただただ使い捨てにされていく。それがあたりまえというジョーシキに流されていないか?そんな自分についてちょっと考えてみたくなった映画鑑賞でした。

それはともあれ、モレルのやり方ってリスク高すぎると思うんですが。やっぱり生きている間に人気が出てくれるほうが、画商としてはいいんじゃないかな。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 不気味
  • 絶望的
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ