ここから本文です

モンパルナスの灯 (1958)

MONTPARNASSE 19/LES AMANTS DE MONTPARNASSE/GLI AMORI DI MONTPARNASSE/THE LOVERS OF MONTPARNASSE/MODIGLIANI OF MONTPARNASSE

監督
ジャック・ベッケル
  • みたいムービー 58
  • みたログ 317

4.00 / 評価:116件

少しは私に似せて描いてよ!(台詞より)

  • bakeneko さん
  • 2016年11月24日 15時07分
  • 閲覧数 759
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

アメデオ・クレメンテ・モディリアーニの最後の数年を描いて、時代に早すぎた芸術家の恵まれない人生を、20世紀初頭の巴里の人間模様の中に浮かび上がらせてゆく―“芸術家人生劇&フランス人間劇”の力作で、主演のジェラール・フィリップ、ヒロインのアヌーク・エーメ&リリー・パルマー、脇役のリノ・ヴァンチェラらが存在感を魅せてくれます。

パリ派(エコール・ド・パリ)―1920年代を中心に活動した芸術家グループ。世界各地からパリのモンマルトルやモンパルナスに集まり、ボヘミアン的な生活をしていた画家たち:マリー・ローランサン、モーリス・ユトリロ、アメデオ・モディリアーニ、ジュール・パスキン、エルミーヌ・ダヴィド、藤田嗣治、マルク・シャガールらを指す(wikiより)
と言う訳で、モンマルトルのカフェ常駐して似顔絵を描いていたモディリアーニの最後の日々を、英国のジャーナリスト:ベアトリス・ヘイスティングスとの古い関係や、女画学生ジャンヌ・エビュテルヌとの新しい恋などの女性関係を軸にして描き出してゆきます。
ベルト・ヴァイル画廊にての個展開催のエピソード(=裸婦画を出展したのが元で警察が踏み込む騒ぎとなり、一日で裸婦画を撤去する事態となった)や、転地療養のためニースに滞在したこと等も史実に則って映し出されていますが、親友のモイーズ・キスリングは出てきませんし、ジャンヌ・エビュテルヌの父がカトリック教徒だったので、ユダヤ系のモディリアーニとの結婚を認めなかった事情や、長女:ジャンヌの誕生やモディリアーニの死後二日目にジャンヌ・エビュテルヌが投身自殺を遂げたことは省いています。

カフェの女将とも男女関係があったことを仄めかしたり、転地先のニースでも娼婦をスケッチしていたり…と女性関係の奔放さと共に、ヒロインへの熱情的な愛、芸術への真摯な姿勢が並存する―“いかにも芸術家”といった人物を映し出して、「炎の人ゴッホ」、「ピロスマニ」、「赤い風車」、「狂えるメサイア」といった―鮮烈な芸術家の半生映画に連なる作品で、
彼の芸術を理解しながら、死によって絵画の価値が上がるまで援助せずに待ち、死期を見て買い叩く―唯一のフィクションの人物であるドライな画商:リノ・ヴァンチェラが大衆人気の冷酷さを具象化しています。

不世出の天才が浮かび上がれない人生をもがくお話でありながら、監督・脚本のジャック・ベッケルの巴里の空気を感じさせる語り口の上手さと、ポール・ミスラキの活き々とした音楽も聴かせる作品で、26歳のアヌーク・エーメは輝く美しさですよ!(でも、絵には似ていないんだよなあ~)



ねたばれ?
1、元来モディリアーニは、彫刻家を目指していましたが結核を患って体力的に無理が利かなくなって画家に転じたという事情があります。彼の絵の人物のシンプルで簡略化されたフォルムは彫刻の観点からも観賞するとより深く理解できるとされています。
2、劇中では孤独に死んで逝った様に描かれていますが、実際の葬儀には知人を含めたパリ市民が5百人以上も詰め掛けたそうで、いかにもイタリアンでボヘミアンだった彼の人徳?が好かれていた事が判ります(―ちょっと安心しました)。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • ロマンチック
  • パニック
  • 不気味
  • 勇敢
  • 知的
  • 絶望的
  • 切ない
  • セクシー
  • かわいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ