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アレクセイと泉 (2002)

監督
本橋成一
  • みたいムービー 26
  • みたログ 26

4.00 / 評価:8件

滾々と湧く泉がおこす静謐な奇跡

  • せぷたか。 さん
  • 2011年5月21日 12時08分
  • 閲覧数 830
  • 役立ち度 13
    • 総合評価
    • ★★★★★

チェルノブイリ立ち入り禁止地域の
村人を撮るドキュメンタリー作品鑑賞2作目。

前作
『ナージャの村』から5年後、

前作の撮影時、
「是非見せたいところがある」

エスコートしてくれた行き先が、
今作の舞台になる泉。それが、、、
キッカケとなり、今作は製作されました。

音楽担当は、
坂本龍一さん。
客席には一般客に混ざって、
世界的指揮者の小澤さんもいらっしゃいました。

さぁ、今作はどんな作品なのでしょうか???

★彡     ★彡

前作より撮影方法から編集まで、
なにもかもが映画っぽくなっていましたね♪
村人の温もりが、今作のほうがリアルに伝わってきましたよ(笑顔)



〈 泉が村人を引き止めているのかもしれない 〉
〈 我慢するほうが、よほど身体に悪い 〉


じらすような形になってしまいましたが、
なぜ、この泉を、現地のコーディネーターは見せたがったのか。

実は、森林・農地などからは、
高濃度の放射能が検出されたのですが、
この泉からは、放射能が全く検出されなかったのです!

“こんなにも放射能が検出された。だから退避を!!”

そう呼びかける腹積もりであった関係者の思惑とは反対の結果が。

若者は1人、残り全てはご老人なのですが、
誰一人、村を出ることなく、泉のふもとに止まった、
そんな村のドキュメンタリー作品でございます。

◇   ◇

前作『ナージャの村』よりも、
カメラの撮り方や、編集、風景の繋げ方、
一番は、音楽が映画っぽくなっていて、
作品の完成度は遥かに上回っているように感じました。

さらに、作品から、
なんともいえぬ村人の空気感をお客様に
与えてくれたのは、ナレーションを村に
唯一、残った若者、アレクセイがつとめたこと。


訥々と話す声色、
話すスピードが、
村人が息づくはやさと、
驚くほどシンクロをしている。

そのナレーションから、
村人の体温、村の気温が伝わってくる。


「キノコは食べたらダメだと
 言われているんだけど、
 美味しいから食べるんだよね♪」

誰かに教えてもらわなければ、
とても放射能に汚染されてしまった
村に住む人には見えない、こちらも微笑ましくなる笑顔。


祭りだ!
洗濯場が完成した!!

なにかにつけて、
ウオッカを飲み、
酔っ払ってしまうおじい様たち。

そして、寝てしまった
お爺さんを、当たり前のように運ぶアレクセイ。


若い男性が1人でもいないと生活はできない

両親は、アレクセイに結婚をしてほしいと
口にするが、この村に止まるかぎり村外から
お嫁さんを迎えるのは難しいはず。

しかし、そんなうしろめたさは
ちっとも、感じさせない、心の底から息子の心配をする姿。


スクリーンの中には、
なにも変わらぬ田舎の農村の
平和な暮らしが映し出されるのでした。

そうです、
終盤に、村の放射濃度が
スクリーンに映し出されるまでは・・・。

★彡     ★彡

街中からは食糧・雑貨販売車が乗り入れる。
村中からは村外へカゴの販売に行く。


意識をしなければ
“放射能”なんて
カケラも感じない
自然に包まれた村人の
幸せな生活があふれていました。


“泉が村人を止まらせている”

朝になれば、泉に水を汲みに行く。
そして、その水で、生活を営んでいく。


村人の姿に、
あるひとつの、
幸せの形を見た気がしました。
そして、未来へ向けて希望の光を感じました。


チェルノブイリ原発事故から25年。

うしなったもの
きづかされたもの
かわらなかったもの

人間の強さ、
力まない自然な姿に
静かで深い感銘を受けました。

奇跡は必ず起きるのだと・・・。

詳細評価

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