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危機

危機

KRIS

89

kow********

3.0

ネタバレ繰り人形の様なもの

イングマール・ベルイマンの記念すべき監督デビュー作品。 興業的には散々な結果で、せっかくデビューしたのに所属の映画会社で脚本執筆専任の地位に後退させられたとか…。 しかし、作品はしっかりした構成で、人間関係もうまく描けているし、商業映画としての出来ばえは、けっして悪くはない。 都会に住む“生み”の母親(マリアン・レーヴグレーン)と、田舎に住む“育て”の母親(ダグニー・リンド)の間で、揺れ動く17歳の少女ネリー(インガ・ランドグレー)。都会に出て美容師になるが、ちょっとワルな青年ヤック(スティーグ・オリーン)を生みの母親と奪い合う事に…。心身ともに疲れて帰郷し、幼い頃から知る好青年のウルフ(アラン・ボリーン)の暖かさに気づく…というストーリー。 スティーグ・オリーンが扮するヤックは、ベルイマンの分身として感情移入がなされているという。女の子をたぶらかして遊び歩く売れない俳優という役どころだが、童顔のオリーンが演じると憎めないキャラクターとなっていた。 ヤックが言う「(俺は)繰り人形の様なものさ…」という台詞などに、ベルイマンらしい個性の片鱗を見た。

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