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映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 (2002)

監督
原恵一
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  • みたログ 2,522

4.53 / 評価:1,085件

「クレヨンしんちゃん」の本質。

  • tos***** さん
  • 2019年7月3日 4時53分
  • 閲覧数 825
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

この映画が公開された時は自分はしんのすけと同じ5歳だった。当時は映画館ではなくDVDで見た記憶がある。
「クレヨンしんちゃん」という作品は幼稚園の時から大学3年生の今でも大好きな作品の1つである。

「クレヨンしんちゃん」は雰囲気が軽くてフワフワした楽しい作品で子供ウケも抜群だ。しかし、その本質は大人向けの作品であることを成人を迎えた自分は痛感している。
原作の中にはさり気無い感動を与える話しが沢山ある。その感動は子供には理解しにくい小さな感動である。大人になって忘れていた大切な感動を与えてくれる。その感動は知らないうちに陽だまりに手を出していた優しい暖かみの様な感動だ。

本作はそんな「クレヨンしんちゃん」の本質を突いた作品である。
最初に述べたように私がこの作品を見たのは5歳の時である。当時、この作品を「面白かった。感動した。」と評していたが、「何が面白かったのか、何に感動したのか。」ということは分からなかった。
しかし、成人を迎えた今の自分が見るとこの作品の本質が見えた。
この作品には「死」という言葉が散見している。又兵衛も家族と「死別」しており、戦場という「死」に直結する場面がある。5歳のしんのすけは戦の残酷さを知らずに軽い反応をしているが、その時に涙を流すひろしとみさえ。「助けに行こう!」と言うしんのすけに対してひろしは反対の姿勢を見せる。それは戦という物の残酷さを知っているから。
しかし、最後には野原家は車で戦場に突っ込んで又兵衛達を援護する。それは、しんのすけの言葉に心が動かされたからなのだろうか?自分の国を守る又兵衛の気持ちにひろしは家族を守る自分を重ねたのではないのか?そんな心の葛藤を想像してしまうと車で汗だくで突っ込む野原家のシーンで既に「感動」してしまう。
最後に逃げようとする敵の大将を「お前のせいでこうなったんだゾ!逃げるなんて許さないゾ!」と止めるしんのすけの行動は純粋な子供だからこそ取れる行動なのかもしれない。そこに斬りかかろうとする大将の刀を止めるみさえ、それに健康器具で殴りかかるひろしの勇気にも「感動」してしまう。
この両親の行動に感動出来るのは成人した今の自分だからなのだと思う。ひろしがビビりながら戦場に生身で出るシーンは子供ならば笑ってしまうかもしれない。しかし、そこには強烈な家族愛と勇気の行動なのだ。

この様に、この作品は子供の頃には見えない「クレヨンしんちゃん」の本質を突いている。
「クレヨンしんちゃん」のファンである自分はこの点に大満足だ。

また、作品単体としても素晴らしい。
90分という短さの中に又兵衛を含めたオリジナルキャラクターの描写がしっかりとあるため、キャラに深みが生まれている。
そのため、残酷なラストに涙を禁じ得ない。
この衝撃的なラストは単なるお涙頂戴か?いや、断じて違う。このラストは決して感動するラストではない。恐ろしく残酷な「悲しい」ラストなのだ。この様な衝撃的な作品は後味が悪いだけの場合が多いが、本作はそんな衝撃的なラストを野原家という極上なキャラクターと野原家に劣らない魅力的なオリジナルキャラクターによって美しさすら感じてしまうラストにしてしまっている。

長々と御託を並べたが、最高の作品と言いたかったのだ。

詳細評価

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