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穏やかな生活 (1997)

A HUMBLE LIFE

監督
アレクサンドル・ソクーロフ
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3.00 / 評価:2件

日本のお婆さんが好きなソクーロフ

  • URYU さん
  • 2009年11月24日 19時54分
  • 閲覧数 909
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

アレクサンドル・ソクーロフ監督のドキュメンタリー映画。

「オリエンタル・エレジー」(1995)「ドルチェ-優しく」(1999)と合わせて、ソクーロフが日本で撮影した“日本三部作”の第2作目。

「オリエンタル…」撮影から2年後の日本、奈良県明日香村の1人暮らしのお婆ちゃんを撮影するべくソクーロフら総勢四人の撮影グループが、三週間ほど生活を共にして作った作品。

ソクーロフはこのお婆ちゃんに「私たちは邪魔しなので、いつものように生活してください」と注文し、初めカメラは回さず、まるで影のように彼女に沿って暮らした後に撮影に入ったという。

建ってから100年以上も経つ日本の萱葺き屋根の家や素朴な室内調度に感嘆するソクーロフの眼差しは、画像合成で靄が立ち込めて幻想的である。

しかしながら、ソクーロフ自身2年前の「オリエンタル・エレジー」の時とは違い、日本が感覚的に身近になった所為もあるんだろう…1作目よりも、より具体的にお婆ちゃんの生活に踏み込んだ描写は、ある意味リアルで、時にはカメラがお婆ちゃんの身体に近づき、ミクロ撮影の領域に踏み込んで、頭皮の毛穴や鼻毛まで鮮明にクローズアップで捉えている。(どんな名女優もあそこまで大写しにされるのは好まないだろうなぁ)

時間の感覚がまるで別次元…自宅で針仕事をするお婆ちゃんの手元、足元、口元…微細な音を効果的にひろった録音効果も冴えていて、一切何も起こらない事がどんなに内的な感性を刺激されるかがわかる一編だった。

ラスト近くに、このお婆ちゃんが自作の俳句を披露するのだが、これがこの人の“人生”と“生活”を露呈していて興味深かった。

カットの一部や音楽に「オリエンタル・エレジー」や「静かなる一頁」からの流用もあり、フィルム加工や編集作業でソクーロフのアート世界が構築されると感じた。

撮影後ソクーロフは、「私は日本のお婆さんが好き」と言っていたとか…。

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