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シッピング・ニュース (2001)

THE SHIPPING NEWS

監督
ラッセ・ハルストレム
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2.73 / 評価:313件

ケヴィン・スペイシー月間ーそのⅡ

  • じゃむとまるこ さん
  • 2013年5月27日 12時10分
  • 閲覧数 1111
  • 役立ち度 10
    • 総合評価
    • ★★★★★

名優ケヴィン・スペイシーの忘れられた地味な映画を再観賞。
2作目はラッセ・ハルストレム監督の「シッピングニュース」。
ラッセは好きな監督だが一番のお気に入りは「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」です。
この出世作から、柱がぶれることがほとんどないのがこの監督の良いところだと思います。

テーマが”前向きに生きる一歩を踏み出す”そんなところが良い、それと抑制のきいた上品なところも好きです、音楽、映像もセンス良く好みです。

E・アニー・プルーのピューリッツァー賞受賞作の映画化、この作家は「ブロークバック・マウンテン」の原作者ですが、映画として当然ながらハルストレム色が強く「ショコラ」と似た印象を受けました。人と人の繋がりの中で人生は再生される、心を閉ざしていては幸せはつかめない、苦しくとも心を開き他者を受け容れることで人は前向きに生きられる、そんな映画となっています。

カナダ東部のニューファンドランド島が舞台、夏でも寒い冷えた空気が画面から伝わってきます、四方をロープで支えられた家、そのビジュアルがワイエスの絵のようで美しくも厳しい。そこにまつわる因縁、クオイル一族を縛る過去、その過去を断ち切り苦難の半生から未来に向かって一歩を踏み出す、傷つき自信を失い殻にこもる人たちの再生の物語です。

主人公クオイルにケヴィン・スペイシー、なり切っています、冴えない男、暗くて、自信もなく、殻に閉じこもっている。逃げるように島に移住し、港湾新聞(シッピングニュース)のコラム二ストとしての仕事を得、島のコミュニティに受け入れられてゆく。
自分のルーツを受け容れ新たな自分を肯定して前向きに生きる勇気を持つ、難しい役を好演。

ビッチという言葉そのままのクオイルの妻ペタル、Tバックで姿で熱演のケイト・ブランシェット、肉食系女の目力も強烈で、何でクオイルと結婚したのか説得力がないが、その奔放な行動の果て、クオイルを不幸のどん底に突き落とす。

曰くありげなクオイルの叔母にジュディ・デンチ、ニューファンドランドは彼女の生まれ故郷、逃げるように移り住むが、暴かれる悲惨な過去。
大あらしの夜、因縁の家の崩壊とともに、クオイル一族を縛る過去から解き放たれてゆく、相変わらずの名演。

島に住む未亡人、実はクオイルと似た過去を持つウェイヴィにジュリアン・ムーア、クオイルとは友人としての信頼関係を築いてゆくが、やがてお互いなくてはならない存在と意識し始める。

職場の仲間にリス・エヴァンスやピート・ポスルスウェイトなど豪華配役です。

それぞれが過去の因縁から解放され、人と人の繋がりの中で人生の新しい一歩を歩みだす、人は誰かに心を開き受け容れあうことで豊かな人生を得ることができる。
そんなラッセ・ハルストレム監督作らしい映画です。

あまりにも暗くて地味な映画です、エピソードの未消化のところも目につきますが、スペイシーのファンの方には渋い演技が見所ですし、ハルストレムファンの方には”やはりハルストレムの世界だ”と納得していただける出来だと思います。

【余談】
クオイルの娘役の女の子、成長とともに3人の子役が演じていたんですね、入れ替わったのがぜんぜんわからなかった、これもハルストレム監督の子供を撮ることに長けている才能を感じます。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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