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シッピング・ニュース (2001)

THE SHIPPING NEWS

監督
ラッセ・ハルストレム
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2.72 / 評価:311件

ハルストレム監督らしい 密かな 傑作。

  • Kainage_Mondo さん
  • 2014年5月6日 18時13分
  • 閲覧数 2139
  • 役立ち度 15
    • 総合評価
    • ★★★★★

BD で鑑賞。01年 アメリカ映画である。

小さな新聞社でインク担当をして生計を立ててきた クオイル ( ケヴィン・スペイシー ) は、成育歴の影響で、自信を持てず殻に閉じこもった人生を送っていた。行き掛りで結ばれた人格に難ありの派手な妻が去り、同じころ両親も亡くなったのを機に、叔母に誘われるまま幼い娘を連れて、クオイル家所縁 ( ゆかり ) のカナダ東部 ニューファンドランド島へ移住する。そこで小さな港湾ニュース専門の新聞社に勤め、慣れない記者生活をスタートさせるところから物語は転がり始める。

吹きすさぶ寒風まで感じられそうな荒涼たる景色。岬の高台に一軒だけポツンと建つクオイル一族の家は、その住人を失って40年余を経たぼろぼろの木造2階屋。2階の軒先4箇所から斜めに渡したワイヤーロープが直接地面に固定され、家の軋みと崩壊を辛うじて防いでいるという状態だ。この家もなかなかの見所なのだが、

ほんとうの見所はもちろん町の人々だ。海賊よろしく船を座礁させては略奪をくり返し追放の憂き目にあったこともあるクオイル家 ・・・ という昔話は興味深いが、それを知って居心地の悪さを感じるクオイルの困り顔などはまだご愛嬌。物語が進むにつれて 叔母アグニス ( ジュディ・デンチ ) も、保育所を営む ウェイヴィ ( ジュリアン・ムーア ) も、秘密にしてきた悲劇、取り戻そうにも取り戻せない人生の後悔を抱えて生きていることが判ってくる。港湾ニュースの社主だってその例外ではないのだ。各人がそれぞれのトラウマにどう向きあい、どう けり をつけるのか ? 人と人との交流のなかでどんな風にそれらを熔かし去り、再生へ向けて歩き始めるのか ?

ハルストレム監督は、形を変えてはこのテーマを控えめに提示し続けている。品良く、抑制を利かせたストーリーテリングは私の好みだ。諸作のなかでは観客サービスを考えてか、意図的に盛り上げよう ハラハラさせよう という拵えが目立つこともあるが、本作はそのあたりもグッと抑え、中盤以降にショッキングなエピソードを挿んでみせたがそこ止まり。監督がしたいようにした、商売っ気も抜きにしてこっそり密かに作り上げた、そんな風に思えた作品だった ・・・ ラストシーン、岬のロングショットに クオイル ( スペイシー ) の独白が重なり、何故か泣けてしまったのだな~その瞬間に。

詳細評価

物語
配役
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  • 泣ける
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