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A2 (2001)

監督
森達也
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4.02 / 評価:41件

漂流する教団

  • ogi******** さん
  • 2021年3月9日 16時55分
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    • 総合評価
    • ★★★★★

「A2」2001

1998年の「A」の続編はコンテナボックスから始まる。コンテナボックスに入っている大量の荷物はオウム真理教本部の資料やビデオなど。本部の移転のため荷物を取りに来たのだ。

撮影している森達也監督は信徒たちに尋ねる「これ本当に必要なものなの?」資料価値もないものも含まれていたのだろう。

映画では数回にわたるオウム施設の移転。移転に反対する地域住民の反対運動。そしていつの間にか反対派住民と信者達の間に生まれた交流が描かれる。

「オウム真理教は殺人集団だが、あんた個人はいい奴だよ」(反対派住民)

幾度か移転していくオウムの後継組織アレフなどが施設を構えると近くに地域住民の詰所と警察官の仮設詰所が出来上がる。

森達也監督が麻原彰晃(本名・松本智津夫)の三女アーチャリーこと松本麗華(りか)にインタビュー。途中で麗華は「散歩に行こう」と外に出る。警察官の詰所に立ち寄り警察官と談笑する。

テロ事件の首謀者の娘と彼女を監視する警察官が冗談を言い合う。事実は小説より奇なりとは本当だ。

しかしそんな牧歌的な風景ばかりではない。オウムが入居した横浜のマンションに右翼団体が押し寄せる。マンションを警備している警察官に詰め寄って「オウムの連中と話をさせろ!」と凄む。右翼というより暴力団に近い。詰めかけた右翼はオウム信者達に言葉の暴力による私刑を行いたいだけなのだ。右翼の一つ一つの言葉に取り合わず「お引き取りください」だけで対応する警察官の方には同情と尊敬すら覚える。

教祖と幹部を失い漂流する教団。
「こういう所に来る人は弱者が多いんですよ」(信者)

ヘッドギアを装着して小刻みに痙攣している信者。台所で信者がマッシュポテトの粉末を見つけて狂喜している。水を加えて味見をして「これなかなかいける」と顔を綻ばせる。一口食べた森達也監督は「君たちね、これはクソ不味いよ」という。

物質的快楽を絶って修行をしているというわけではあるまい。在家信者が減少して資金に事欠いていたのだろう。

そして上祐史浩氏が3年の懲役刑を終わって出所。出所した上祐史浩はオウムの後継組織アレフを率いていたが非麻原彰晃路線を打ち出して他幹部の反発にあいアレフは分裂した。

「A2」が公開されて今年で20年。世間にオウム真理教の名前が出る事も久しくなった。今20代の人達はオウム真理教と彼らが起こしたテロ事件を信じられないかも知れない。リアルタイムで報道を見た私も信じられなかった。当時も今も。

地下鉄サリン事件が起きた1995年といまの大きな違いはインターネットが普及した事だ。特にスマートホンとSNS。オウム真理教の様な集団を聞かないのはネットが普及して情報が手に入りやすくなったせいかもしれない。もちろんSNSには否定的な側面もあるだろうけど。

詳細評価

物語
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