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ピンポン (2002)

監督
曽利文彦
  • みたいムービー 250
  • みたログ 6,516

4.13 / 評価:2247件

飛べ!打て!!一等賞になるために!!!

  • shigeo さん
  • 2008年2月23日 18時22分
  • 閲覧数 5134
  • 役立ち度 82
    • 総合評価
    • ★★★★★

この作品を再びDVDで観直したのは、ホンのちっちゃなキッカケから。
同じクドカン脚本のテレビドラマ「ぼくの魔法使い」で阿部サダヲが温泉旅館で卓球をやろうとしたときに「この星の一等賞になるのだ~」とペコの真似をしたのを観たから。
くだらないでしょ、キッカケなんてそんなもの。
単純で、でも、おかげで熱くなれた。
VFXを駆使した卓球の試合のかっこよさや、SUPER CARの「YUMEGIWA LAST BOY」を始めとする音楽が各場面に融けていて、青春の熱さを感じさせてくれる心地いい作品。
そんだけ。
窪塚演じるペコの願いも単純。
「この星の一等賞になりたいの、卓球でオレは!」
そんだけ。
...って、それってとてつもなく凄い事なんだけど、ペコが言うとなんか本当にそうなれるような気がする。
「アイ キャン フライ!!」。
そう叫ぶと彼なら飛べそうな気がする。
...てゆうか、そんなわけないか(笑)。
彼は一度挫折する。
こんなやつにまで...と苦い負けを味わってやさぐれる。
おかっぱ頭が長髪になり、タバコを吸い、そして橋の欄干に立ち、空を飛ぼうとする。
でも、結果は下の川に落ちるだけ。
彼の飛ぶ場所はここではない。
暑い熱気と湿気が充満する、卓球台のある体育館だ。
彼は再び、そこに戻るために猛特訓をする。
ベタな展開かもしれないけど、こういう特訓のシーンが自分は大好きだ。
何かの目標のために熱くなる人間を見て、気持ちよくなれない人間は心が少し寂しいような気がする。
ARATA演じるスマイルもまた特訓をすることになる。
自分の意志とは呼べないけど。
彼らは特訓をして、光を放つ才能がある。
卓球の神様から与えられた、凡人にはないものがある。
その差を痛感する人間としてアクマ(佐久間)がいる。
誰よりも努力した、汗を流した、それでも彼はスマイルにかなわない。
スポーツは爽快であると同時に残酷でもある。
どう、あがいても飛べない鳥がいる。
自分もそうだし、たぶん、これを読んでくれてるあなたもそうだろう。
努力は自分を次の段階に進めてくれるけど、ある高さの上にはいけない。
哀しいけれど、絶対に。
だからこそ、人は高みに上り詰めようとするヒーローを待ち望んでいるのかもしれない。
才能に溢れるスマイルも高みの頂点には立てない男なのだろう。
永遠の2番手。
でも、彼はそれでもいいと思っている。
そこがペコと絶対的な違い。
彼はペコを心から誇りに思い、好きでたまらない。
人によっては、男が男に思う感情としてはスマイルのペコに対する感情をちょっとベタベタすぎると感じるかもしれないけど、スマイルにとっては純粋にペコはヒーローなのだ。
ペコがホントにこの星の一等賞になれるのかはわからない。
でも、彼は戦い続ける。
彼は、言ってみれば「卓球の伝道者」。
卓球が好きで楽しくて仕方なくて、卓球のおもしろさを対戦相手にも伝えてゆく。
卓球が苦痛でしかなくなっていたドラゴン(中村)をも、勝つ事が宿命という呪縛から解放する。
ペコは試合を見る者にも伝えてゆく。
卓球の素晴らしさを。
彼はその視線を一身に受けて、今日もどこかでポーズを決めてるだろう。

「ヒーロー、見参!!」

詳細評価

物語
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