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バーバー (2001)

THE MAN WHO WASN'T THERE

監督
ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
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3.64 / 評価:336件

解説

 1949年、カリフォルニアの片田舎サンタローザで床屋を営む無口な男エド・クレイン。平凡な毎日を送るエドだったが、ふとしたことから妻ドリスと彼女の上司デイブの浮気を疑い始める。そんなある日、店に来た客の一人からドライクリーニングの商売を始めるために資金を出してくれる人を探している、との話を聞かされたエド。この話にすっかり乗り気になった彼は必要な資金を得るために、ドリスとの不倫をネタに相手のデイブを恐喝することを思いつく。一時は思い通りに事が運んだかに見えたエドだったが、やがて事態は予想もしない方向へと転がり始めた……。

allcinema ONLINE (外部リンク)

映画レポート

「バーバー」─途方もなく美しく、圧倒的に切ない

コーエン兄弟の最新作「バーバー」は、その映像の美しさだけでも観る価値が十分ある。撮影を手がけたのは「バートン・フィンク」以降、すべてのコーエン映画を手がけている、イギリス人撮影監督ロジャー・ディーキンス。20年近くにも及ぶキャリアのなかでも、はじめて挑戦したという白黒映画「バーバー」は、ディーキンスの手腕がむき出しになった大傑作だ。

通常、白黒映画というと粒子が粗く、コントラストが強いものを想像しがちだ。しかし、「バーバー」のモノクロ映像は息を飲むほどソフトで、濃淡のグラデーションが豊かである。これは、数十年も改良が行われていない白黒フィルムではなく、最新のカラーフィルムを使用して撮影したためだという(リリースプリントの段階で白黒に変えている)。色彩表現がなくなったぶん、構図はいつもにもまして冴えわたっている。たとえば、ビリー・ボブ・ソーントン演じる理髪師が、妻のむだ毛を剃るシーンがある。バスルームにいる2人を映したワイドショットでは、ビリー・ボブだけがシルエットになっている。夫婦のあいだの断絶、そして、孤独な男を表現した、シンプルかつ雄弁なショットだ。

ディーキンスのカメラが描いた「バーバー」は途方もなく美しく、圧倒的に切ない。コーエン兄弟の作品のなかで、一番好きかも。(小西未来)

4月27日より、恵比寿ガーデンシネマ/シャンテ・シネにてロードショー

[eiga.com/4月25日]

映画.com(外部リンク)

2002年4月25日 更新

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