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たそがれ清兵衛 (2002)

THE TWILIGHT SAMURAI

監督
山田洋次
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  • みたログ 3,007

4.11 / 評価:917件

清兵衛のキャラクター…

  • bar******** さん
  • 2018年3月14日 0時46分
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

たそがれ清兵衛。有名な作品ですよね。で、結構いい作品だと思います。完璧というほどではないけども。

良いところ。この映画は時代考察をしっかりとしている(キャラクター性以外)。下級武士の生活も本物っぽさがあるし、風景とかもそう。風景はなかなか綺麗で印象的。着物も話し言葉も共にリアリティがあって、ここは他の映画にはない努力が見える。物語は安定していて盛り上がりどころがいくつかある。情感は邦画の中では緻密で丁寧に仕上げてあって、穏やかでしっとりとした物語にするというデザインイメージで綺麗にまとめ上げられている。また斬り合いは相当練習したんだろうなと思わせるほどしっかりと作られていて、この映画の大きな魅力になっている。他の映画にはないクオリティ。

悪いところ。これは主人公の清兵衛のキャラクター。および飯沼倫之丞。朋江もあまり良くはない。他の端役のキャラクターは特殊な味付けがされておらず、自然な感じにできあがっているが、清兵衛を中心に監督の狙いが強すぎて自然さをなくしてしまっているキャラクターがいくらかいる。監督は清兵衛を特殊な人格にしてしまっている。清兵衛は無私無欲で心優しく、愚痴ひとつ言わず、冗談も言わず、剣術の腕前は一流だがそれをひた隠しにし、謙遜すぎ、同僚からは馬鹿にされているけど、すごい美人から愛され、そして紳士らしく振ってしまうという男だ。清兵衛は不幸なキャラクター。制作者と、彼が思い描いた仮想の視聴者たちとの間で強引に歪められてしまった可哀相な主役である。特に剣術の腕前を謙遜することと、朋江との縁談のくだりはかなり無茶な作為性があると思う。これは清兵衛がそういう男だったというより、制作責任者がこういう断絶された理想を持っていて、一部の彼を支持する視聴者と共犯で、共同的に考えられた幼児的な断絶性なんじゃないかと思う。飯沼の縁談を迫るセリフはどう考えてもおかしいし「生きていない」。そういった人間味のなさは、現代社会が抱えているさまざまな矛盾の現れだと思う。

この監督のキャラクター哲学にはかなり重大な思い違いが入っていると思う。不自然さやいかがわしい思い込み。それは二度と見たくないというもの。それがどうしても気に入らなかった。それ以外はいい映画なのに。

詳細評価

物語
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