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動くな、死ね、甦れ! (1989)

ZAMRI, UMRI, VOSKRESNI!/FREEZE-DIE-COME TO LIFE/DON'T MOVE, DIE AND RISE AGAIN!

監督
ヴィターリー・カネフスキー
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  • みたログ 209

4.08 / 評価:78件

奇跡的な大傑作!!

こういう肌に直接触れるようで、そして眼球に直接飛び込んでくる映画はそう簡単に見れるもんじゃない。「フェイシズ」や「こわれゆく女」などのカサヴェテス作品を見た衝撃とよく似ている。この映画もカサヴェテス作品もまさに感情の瞬間瞬間を捉えており、これでもか!と凄まじい表情を画面いっぱいに張り巡らせて感情を画面に定着させる。
この体が震えるような見事すぎる瞬間が映画が最も必要としている物ではないかと(大きな勘違いかもしれないが)感じさせてくれる。
あの傑作「大人は判ってくれない」と比べられる本作ですが、「動くな死ね甦れ」を眼球が体験してしまうと「大人は判ってくれない」ほどの傑作までもが甘っちょろく見えてしまう。そう言えるほど本作は大傑作として映画史に輝き続けるだろう。

個人的に映画はストーリーの良し悪しではないと思っているから、これほどの画面の連続を見せられた衝撃は計り知れないです。
映画の中でこれさえあれば十分だというショットがあればそれだけで十分、画面を活気づける運動感があればなおいい、素晴らしく感情が現れた表情の瞬間を見れたらなおいい、そして、不意に訪れるサスペンスが画面の緊張感を高めてくれたら素晴らしい。この映画にはそれらがすべてある、しかもそれらに打ちのめされるような最高水準で。

それさえあればいいというショットはラストの列車が向かってくるギリギリでよける素晴らしく感動的な瞬間。画面を活気づける運動感は殺されると言ってあの素晴らしい海辺を逃げる場面や、女の子に石を投げられながら逃げている少年が列車に飛び乗る場面など。感情の瞬間はほとんどどこの場面でも見られる少年のクロースアップの表情。不意に訪れるサスペンスは泥棒仲間から逃げて安心しきったところに現れる列車に乗った男たちの顔のショット。どれもこれも・・・まだまだあるあれもこれもとてつもなく素晴らしい。
特に少女が少年を迎えに来る映画終盤からラストショットまでは、この映画が伝説であることを強く物語った、ほとんど見ることのできないショットの連続です。

社会的な意味合いやメッセージを拾うことはできるが、それがこの映画を語るのにふさわしい材料だとは思わない。監督は社会的なメッセージも伝えたいのだと思うが、むしろそれらは偶然出てきた二義的なものになって、あの素晴らしいショットの連続からなるこの映画の絶対的な輝きとは同居できないのではと思える。
やはり映画はストーリーやメッセージなどではない、画面の輝きなのだ。そう断言できる奇跡的な大傑作です。

まとめ、数々のショットに感動して打ちのめされて、画面にまた(常に)大きな感動を覚える、これほどの大傑作に5点以外は考えられません。よって星5つです。

詳細評価

物語
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演出
映像
音楽

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