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フォーエヴァー・モーツァルト

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5.0

ウイとノンの攻防

1996年。ジャン=リュック・ゴダール監督。金のために撮りたくもない大作映画を撮ることになる父親と、戦火のサラエヴォで古典演劇を上演するという企画にのめり込む娘。二人が思い描くヨーロッパ的な理想や理念(モーツァルトにつらなるもの)を現実に追求することが招く悲劇。 この監督の作品としては物語は分かり易く、映像も美しい。後半での「ウイ」と「ノン」の攻防は映画を作るとはどういうことなのかを追求する映画作家の貫禄さえ漂う。戦場に常に遅れてやってきて「表象」しようとする映画の決定的な遅れ。それでも「表象」することにある慰め。肯定しようにも肯定できないこと。それでもそれを肯定したときの美しさ。

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