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インソムニア

インソムニア

INSOMNIA

119

Hamlet

4.0

ネタバレ正義と悪が交差するノーランの善悪の彼岸

苦しい映画だな。 最初についた嘘から後戻り出来なくなる… 日常生活や社会でもありそうな出来事だし、 自分自身でも、やってしまいそうで、そういう意味では、 本当に苦しいし、怖い。 そこに、タイトでもある不眠症、眠れない辛さが重なってくる。 僕は40代の後半、更年期鬱になったという自覚があるんだけれど、それは自律神経失調症からくる不眠症がきっかけで、眠れないことによる不安が鬱を引き起こした、とそう理解しているけれど、 眠れない、というのは心にも身体にも強烈なんだよね。 アル・パチーノ演じるドーマ刑事も正義と悪の分別がつかない訳じゃあないが、仕方がない、という方向に向かってしまい… 眠れないことによる、状況判断の鈍さとか、不確かさや不味さもあって、だろうが、 この道すじが最もダメなんだよね。 “だって仕方がない”… 僕は、人生の中で、これを無くしたい、というのがテーマだが、 これが難しい。 ほとんどのことは、だって仕方がない、んだよね。笑 最後に、若い女性警官のエリー(ヒラリー・スワンク)に、道を誤るな、と言って正すドーマ。 それは彼女が見つけた薬莢を捨てようとした時だ。 その薬莢が自身の過ちを暴く証拠にもなるのだけれど、 6日間も眠れなかったドーマが、今際の際で、眠りたい、眠らせてくれ、といいながらのエンド・マーク。 ロビン・ウィリアムズの悪役も、珍しいと思うけれど、悪といっても、捻れた変態野郎で、彼ならではの悪が際立ってたな。 しかし、ずっと苦しい映画だった。 ホテルの女性従業員に、内務調査が行われた事件の、自身の正当性を語る場面… 子供をいたぶって殺した、 そんなクソ野郎を証拠不十分で釈放させるくらいなら、証拠を捏造することくらい、なんだというんだ! ってのは、 もちろんそうなんだけれど… 苦しい、んだよ。 内務部の取り引きに応じて、事実を話すと言った同僚の刑事ハップ(マーティン・ドノヴァン)、 彼を事故で射殺してしまうドーマ… ずっと、苦しい。 また、ここにもノーランの善悪の彼岸があった。

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