天国の口、終りの楽園。

Y TU MAMA TAMBIEN/AND YOUR MOTHER TOO

R15+106
天国の口、終りの楽園。
3.7

/ 201

23%
35%
32%
7%
1%
作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(70件)

切ない23.2%セクシー14.1%悲しい10.6%笑える9.6%楽しい9.6%

  • dkf********

    4.0

    夏は少年達を大人に成長させる

    いきなりオープニングのG.G.ベルナルのセックスシーンにドン引くが、ヤリたい盛りの10代の少年達のひと夏の経験を描いた本作において、度々繰り返される性描写が重要な要素であることが観終わった後にわかるはず。そこにエロさはあってもそれほど嫌悪感がないのは、ラテン系ならではのおおらかさの賜物だろう。これが米国やヨーロッパの映画ならとてもこんな開けっぴろげな雰囲気にはならなかったはずだ。 スペイン語の響きも実に心地よい。 こんな軽薄そうなテーマでありながら本作がただのおバカな青春映画で終わってないのは、全編で冴えをみせる長回しや手持ちカメラなどの撮影テクニックのなせる技だし、A.キュアロンの演出スタイルは既に本作で確立されている。監督の盟友E.ルベツキが映し出すメキシコの風景描写にも実に味わい深い。 夏が終わり、少年達は大人になっていく。ベルナルの語りで終わるラストがなんとも切ない余韻を残してあとを引く。 作品の本質をよくとらえた邦題が秀逸な青春ロードムービーの秀作だ。

  • つとみ

    5.0

    キュアロン監督のスタイル

    ルイサの夫は、小説家には自分のスタイルが必要だと言った。これは映画監督でも同じだろう。では、このセリフを言わせた監督、脚本のアルフォンソ・キュアロンのスタイルとはどんなものだろうか。 キュアロン監督は表面上で起こっているストーリーとは別に音楽と映像で物事を伝える二層構造の監督だと思う。 常に明るい晴天のメキシコ。途中で数えるのを止めたほどに何度も登場する結婚式(5回以上)と人の死に関するエピソード(8回以上)。登場人物の誰でもない、いわば神の目線によるナレーション。 これらは表面上のストーリーとは直接的には関係がないが、エンディングに向かうにつれ次第に融合していき、ラストで力強く輝く。 部活頑張る系以外の青春映画は総じて苦手なのだが、本作では一番苦手な破壊行為がなかったので想像以上に楽しむことができた。 というか、本作は青春映画の皮を被った人間讃歌とキュアロン監督のメキシコ愛の作品だった。 原題の訳は「君のママとも」。このアホみたいなタイトルさえ作品の本質を隠すための巧妙な罠だった気さえする。 二層構造の表層が青春映画で、本来の核である二層目が人間讃歌なのだ。 最終的に監督の意図するところを完全に読み解くことは私の力量ではできなかったけれど、逆にそれが心地よいモヤモヤとして頭の片隅に残り続ける傑作になった。 メキシコでは万物に生命が宿るという。「天国の口、終わりの楽園。」にも生命が宿ったような気がする。

  • yab********

    5.0

    メキシコ風哀愁は熱湯の後にいきなり冷却水

     実は哀しい作品である。ラストでそれがはじめて明らかにされる。高校生最後のひと夏の性の爆発。人妻ルイサは、浮気をしている夫が許せず、若い二人の躍動感を求める。永遠に続くのではないかと思われる二人の生命力を羨む。ルイサと若いフリオとテノッチの楽園探しの旅。ひと夏のほんの一瞬の旅だ。    先日新聞記事でたまたま見た山口瞳の言葉。  ”人生は短い。あっというまに過ぎてゆく。しかし、いま目の前にいる電車にどうしても乗らなければならないというほどには短くない”。  一瞬の夏といえども、電車にどうしても乗らなければならないというほどには短くない。思い出にするには程好い長さなのである。その一瞬の夏にルイサの思惑があり、フリオとテノッチの思惑がある。その思惑はそれぞれ違う。なぜなら、彼らにはそれぞれ人には言えない”秘密”を持っているからである。その”秘密”を胸に秘めながら表面的にはバカぶっている。ヤクを吸ってラリッてノータリンのふりをしている。各々が絶対的な孤独を怖れている。孤立する間を与えまいと必死にはしゃいでいる。  再びラストのシーン。高校を卒業してフリオとテノッチは会わなくなってしまった。あんなに馬鹿騒ぎしていつも一緒に悪さをしていた二人だったのに…。喫茶店で久しぶりに再会した二人。お互い大学生になった二人。テノッチは経済、フリオは生物を専攻している。もはや彼らにはあのバカな二人の面影がない。会話もなぜかはずまない。お互い視線を合わせないようにしている。  それが現実だ。過去をふりかえらないのが若さの特権だ。彼らが前向きな証拠だ。もはや彼らの住む世界は違ってしまっている。ひと夏の想い出も、ルイサの想い出も、もはや二人で共有することはできない。彼らは将来を見据えた人生に方向変換しようとしている。  メキシコの底抜けに明るい風土に幻惑されつづけた後の、一抹の哀しみ。大人になっていくことのほろ苦さが画面一杯に拡がる。熱湯の後にいきなり冷却水をかけられた感じのメキシコ風哀愁に触れて、僕は戸惑いと開放感が入り乱れた不思議な感覚を味わった。

  • 一人旅

    4.0

    メキシコ、自由と終りの旅

    アルフォンソ・キュアロン監督作。 メキシコを舞台に、実在しないビーチ“天国の口”を目指して旅する二人の高校生と人妻の姿を描いたロードムービー。 『リトル・プリンセス』(1995)『トゥモロー・ワールド』(2006)『ゼロ・グラビティ』(2013)のメキシコ映画界を代表するアルフォンソ・キュアロン監督によるロードムービー。主演はメキシコ出身で『アモーレス・ぺロス』(2000)や『モーターサイクル・ダイアリーズ』(2003)に出演した名優ガエル・ガルシア・ベルナルと、本作が出世作となったディエゴ・ルナ(二人はプライベートでも大の仲良し)。二人と旅する人妻役にスペイン出身のマリベル・ベルドゥ。 暇を持て余した高校生フリオとテノッチが年上の人妻ルイサを誘って、メキシコシティからカリブ海沿岸の実在しないビーチ“天国の口”を目指して車で旅する姿を、メキシコの自然&風土に彩られた美しい映像と過激な性描写を交えて描き出したロードムービー。 画面に充満する“自由”の気風。ルイサは夫に浮気され傷心状態の中、出会ったばかりの二人の高校生と気ままな旅に出る。窮屈で息苦しい夫婦生活を抜け出したルイサを待ち受けるのは、何にも縛られることのない唯一無二の自由。性欲有り余るフリオとテノッチを誘惑しセックスを愉しみながら、時にはお酒を飲んでバカ騒ぎして、時には地元の住民と一期一会の交流を堪能する。フリオとテノッチも暇な日常を飛び出して自由の旅へと没頭する。仲睦まじい二人だが、お互いの彼女を寝取ったと告白したことで喧嘩が起こってしまったり、その一方で強い友情で結ばれている二人は何だかんだでお互い許し合い自由気ままな旅を続ける。男女三人の、徹底的に自由で開放的な旅。 だが、結末に向かうに従い、自由で希望に満ち溢れた三人の旅はそれぞれの“終り”へと終着してゆく。生と死、友情と青春の終焉、別れと大人への旅立ち…。もう二度とあの煌びやかな日々は戻ってこないという青春期特有の儚さが、鑑賞後深い余韻を残す。青春をとっくに過ぎた大人には余計に心にガツンとくるかもしれません。 キュアロン監督お得意の長回しの撮影もさることながら、メキシコの風景美を完璧に切り取った映像が魅力的。まっすぐ続く一本道、荒涼とした大地、青い海と白い砂浜のコントラスト…。メキシコを旅したくなる青春ロードムービーの秀作。

  • fg9********

    4.0

    「天国の口、終りの楽園」という邦題が素敵

     …あらすじは、解説のとおり。  二人の青年と旦那に浮気をされた人妻とが、伝説の海岸「天国の口」を目指して旅をするロード・ムービー。  冒頭からいきなりのセックスシーンで面食らったが、その後もセックス絡みのおバカ青春ロード・ムービーで、この流れのまま終わってしまうのかと思われたが、「天国の口」へ辿り着いてから終盤にかけてはなかなか美しくも切ないものがあった。  数年後に、2人の若者は偶然再会するのだが、あの日に共有した青春の輝きは泡沫のように消え失せていて、現在は分別のある大人になった自分たちしか残っていないことに気付き、大人になることの侘しさを噛みしめる……(青春真っ盛りのあの日、一緒に旅をした人妻のその後の悲しい出来事を知るとともに……)。  「天国の口、終りの楽園」という邦題が、何を語るよりも、この作品の雰囲気を如実に表していると思われる、なかなかの佳作だった。

スタッフ・キャスト

人名を選択するとYahoo!検索に移動します。


受賞歴

LA批評家協会賞第28回

外国映画賞

NY批評家協会賞第68回

外国映画賞

ヴェネチア国際映画祭第58回

マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)脚本賞

基本情報


タイトル
天国の口、終りの楽園。

原題
Y TU MAMA TAMBIEN/AND YOUR MOTHER TOO

上映時間

製作国
メキシコ

製作年度

公開日
-

ジャンル