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ブレッド&ローズ

ブレッド&ローズ

BREAD AND ROSES

110

m_l********

5.0

ネタバレローサの告白に心が引き裂かれる

全編通じて心にズシンとくる映画ですが、中でも見るのが辛かったのが、全力で労働闘争に参加するマヤとそれに懐疑的な姉ローサの口論シーン。 同僚を密告したローサを「裏切り者」と責めるマヤに対し、ローサはマヤが小さな頃、売春婦として稼ぎ家計を支えていたことを告白します。まだ少女だったにも関わらず毎晩毎晩「ローサ、家族のためにしゃぶるのよ」と自分に言い聞かせ身を削っていたローサ。更に今のマヤの清掃員の仕事も、ローサが薄汚く横暴な上司のペレスに枕営業をして得たものだと知り、マヤは慟哭します。パンだけでなく薔薇(尊厳)も欲しい、と理想を追いかけるマヤと、家族のパンだけでも得るために壮絶な人生を送ってきたローサが対峙する場面。ローサは病気の夫と2人の子供を抱えており、労働闘争により仕事までが奪われてしまうと懸念して全て終わらせようと密告したのでした。これまであまりに絶望を繰り返し、労働闘争に希望を見出すことなど到底できなかったのです。 パンと薔薇を両方得ることにこんなに苦しむ人たちが今でもたくさんいる。映画公開から20年が経っていますが、日本ではその間に外国人技能実習生とそれに伴う問題が増加し、むしろタイムリーな映画になっているのではないでしょうか。

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