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男たちの旅路/車輪の一歩 (1979)

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4.53 / 評価:15件

障害者を扱ったドラマとして未だに高評価

障害者について扱ったドラマとして未だに高い評価を受けているこの作品は、70年代に絶大な人気を誇った山田太一氏の土曜ドラマシリーズ『男たちの旅路』 第四部の最終話。
「人に迷惑をかけないというのは、今の社会で一番疑われていないルールかもしれない。しかし、それが君たちを縛っている。一歩外へ出れば、電車に乗るのも、少ない石段を上るのも、誰かの世話にならなければならない。迷惑をかけまいとすれば、外へ出ることが出来なくなる。だったら迷惑をかけてもいいんじゃないか?勿論、嫌がらせの迷惑はいかん。しかし、ぎりぎりの迷惑はかけてもいいんじゃないか?かけなければ、いけないんじゃないか?」
これは、「一歩を踏み出さなければ何も始まらない」という事であると同時に「全力で生
きろ」という事に他なりません。
『どなたか、あたしを上まであげてください』彼女の真摯な呼びかけに黙って応じてくれる人は、今どれくらいいるのでしょうか?この話を見返すたび、そう問いかけずにはいられません。
斉藤洋介が夜の街から帰ってくるシーンは、涙が止らなかった。しかし、作品は障害者の自立という問題のみをテーマとしているわけではない。シリーズの底流をなすものがここにある。ラスト近く、車椅子の少女の母親が、吉岡(鶴田)に「車椅子の娘の母親の気持ちなんかわかりっこない」と話すシーンがある。これに対して、吉岡は、「外にでなきゃだめだ」と例のごとく説教する。健常者に障害者の辛さや痛みはわからない。もっと言えば、他人は自分ではない。しかし、これを理解しようとする努力、相手を説得しようとする努力こそが、人間の持つかけがえないことの一つではないか。こんなことを山田太一は言いたかったのではないだろうか。

この作品が作られたのは1979年。オイルショックから立ち直り、次に来るべきバブルへの階段を少しずつ上り始めた一方で「家族の団欒」という言葉が辛うじて残っていたそんな時代。時折映る風景や人々の様子が、当時の面影を伝えていてとても懐かしいです。
このドラマで描かれているように、一般人にとって車椅子の世界は本当に未知なもので、初めてこのドラマを見たとき深い感動を憶えると同時に、今まで知らなかった彼らが抱えていた問題・苦労の大きさにショックを受けました。それから四半世紀近くの歳月が流れ、国や各地の自治体ではバリアフリーが叫ばれ、地下道や階段にはスロープが、駅や公共施設などには車椅子専用のエレベーターが設置されるようになりました。

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