命をかけて確かめた他人の愛の形
- joyjoymovie さん
- 2009年5月23日 20時03分
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- 総合評価
この映画のレビューをネタばれせずに行うのは私には難しい。
映画の主人公は実は若い夫婦でも家政婦でもない。
冒頭死んでしまう資産家のギメだ。
彼は老いて病にかかり、身体も不自由になった。
金はあるが、生きる希望も無い彼は大邸宅の裏窓から見えるアパートの若く美しい人妻を観察していた。
有り余る金を使って、若く美しい人妻を誘惑するが夫を愛していると断られる。
そこから、ギメは自分の命を懸けて、その夫婦の愛のもろさを証明しようとするのだが・・・。
人間は文字通り、本当に命を懸ければ結構な事ができる。
ましてやギメは金も持っている。
しかし、自分が死んでから結果が出る事に命を懸けられるかなあ?
上の文では「愛のもろさを証明する」と柔らかく書いたが、本当のところは若い夫婦の仲を命を懸けて破局させたわけで、そんな事に命懸けなくたっていいだろう。
と観客は思うのですが・・・有り余る金を持っている老人にはまだなった事が無いので実際のところは分からない。
この映画のメインは上記の通りなのだが、こうなったのには実は他に大きな原因がある。
売れない作家の夫の為に、若く美しい妻が出版社の社長に身体を投げ出したこと。
な~んか、このあたりは昭和の匂いがしてしまう。
私がこどもの頃、日本のドラマにはこういうものがあった。
原作は結構古いものなのかもしれない。
そんなことをした妻は馬鹿だが、夫を思ってのことであるのは確かなので心根を非難する気にはならない。
それよりも「売れない作家」というところに諸悪の根源がある。
劇中に「今度は良い物が書けそうな気がする」という台詞があるが、彼らの常套文句である。
「売れない作家」と「売れない作家」を愛してしまった女にはギメの有無に関わらず、幸せは訪れなかったのかもしれない。
ippeiojisan さん、私の拙い文章を読んで頂きましてありがとうございます。
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